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「やだ!離してよ!!」
自分が外見だけのただの女の子なのは万次郎によく言われてたからわかってはいた。いたけど、こんなことになるなんて思わないじゃん。思えば、いつもこうなっても誰かしら助けてくれてたからだ。
万次郎も、圭介も、ドラケンもいない。九井くんもイヌピーもいない中で荒ぶっても私は所詮女だ。めちゃくちゃ人気のないところまで引きづられている。
ヘルプ万次郎!今こそ東卍引き連れて私を助けに来て!なんて叫んだところで来ない。
「あんたたち私を誰だと思ってんの?!」
「あ"?ただの顔がいい性格クソな女だろ」
「全くの赤の他人に言われるほど嫌なことはないな!!こんなことしたら、あんたら天国か病院送りにされるよ!!はーなーせー!!!」
必死に抵抗していれば、不意に体が持ち上がった。「え?」と驚くも、私より背の高い男が脇に腕を入れて軽々と持ち上げた。
それにより、私の恐怖心は一気にあげられる。今の今まで優しい不良(?)としか関わって来なかったからなのか、え、私本当にやばい。
「私は佐野万次郎、無敵のマイキーの女だぞ!!」
「……は、マジかよ」
「やっぱ待って!!嘘!やっぱ九井くんの女にしとく!!」
万次郎とはいとこですハイ!と叫んでいると急に解放されて尻餅をついた。痛い。安心しているのも束の間、私の首に刃物が押し当てられた。
ヒッ、と悲鳴を上げる。万次郎のいとこだとわかった瞬間に恐れられることめちゃくちゃあるけどこれは想定外。助けて誰か。
「無敵のマイキーのいとこ、ねぇ」
「…………………っ」
「威勢だけはいいからな。この顔に傷付けたらマイキーはどうなるかね」
心臓の音が早くなって、そして息が苦しくなる。
死にたくない、そう思って必死に目を瞑った。首に押し当てられる刃物が少し肉を切る。
そして、目の前で倒れたその男の背後にいたのは、東卍の特攻服じゃなく、赤い特攻服を身につけた九井くんだった。
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ちえ - 私の最推しのイヌココが出た時はギャーギャー叫ばすにはいられませんでした (2021年11月2日 18時) (レス) id: 0560ab194e (このIDを非表示/違反報告)
ATR214YS(プロフ) - 更新ありがとうございます!!!あああもう好きっっ (2021年10月12日 23時) (レス) @page37 id: 5cda5f5352 (このIDを非表示/違反報告)
チョコプリン(プロフ) - 更新ありがとうございますぅぅやばいです!ようやくデレ九井くん登場でドキドキが止まらないのともう場地さぁぁぁんって気持ちで溢れて続きが気になりすぎます!!!、 (2021年10月12日 22時) (レス) @page37 id: e53e09d499 (このIDを非表示/違反報告)
ATR214YS(プロフ) - 場地さんんん切ねぇ😭更新お疲れ様です! (2021年10月9日 22時) (レス) @page27 id: 5cda5f5352 (このIDを非表示/違反報告)
ATR214YS(プロフ) - うわぁめちゃくちゃ続き気になるっ更新お疲れ様です! (2021年10月9日 17時) (レス) @page25 id: 5cda5f5352 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:美桜 | 作成日時:2021年10月3日 14時