30 ページ32
*
とことん馬鹿だこの女。
「お前が好きだからカワイイもチューもしてんだよ!!」
「………え??オマエ?」
「お前だよA!!」
つい押し倒した形になっちまったが、それでもなお気づかねぇAにスキだと言う。そうすればやっとわかったのか顔を真っ赤にした。
「待って……!圭介が私を?」
「だから言ってんだろスキだって!」
「え、は、いつから?」
「餓鬼の頃から」
「今でも餓鬼でしょ!」
いつからって聞かれたら多分会った頃から。
会った頃からAはいつも笑っていて、エマのために黒かった髪を金髪にしてマイキーの幼馴染ってだけの俺にも良くしてくれた。カワイイって思っちまったんだよ。
惚れねぇ奴の方がおかしいぐらいだ。
「けどね、好きだからって一方的にキスしていい訳ないでしょ」
「それは謝る、ゴメン」
「……退いて、重い。それに手……痛い」
「悪ぃ」
思わず強く握ってしまっていた手首を放す。
Aは「………どうせ顔だけでしょ」と小さく呟いてから、ハハ……と笑った。告白されて理由を聞くたびに「顔が可愛いから」って言われるのが嫌だったらしい。
よくそれを愚痴っていて「内面を好きになってくれなきゃ好きになれない」とも言っていたぐらいだ。
「俺はお前のその性格もスキだけどな。度胸あるし、優しいし、真一郎くんが死んだ時にかけてくれた言葉も嬉しかったし、」
「………………私2個も上だよ」
「年なんて関係ねぇよ!オフクロも言ってた」
オフクロだってオヤジとは5つぐらい離れていたって話していた。それに千冬が「年の差なんて愛で乗り超えられるっすよ」って教えてくれた。
「お前が俺のこと弟分にしか見えねぇなら、少しずつ俺を男として見ろよ。九井なんかに負けねぇから俺」
.
691人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ちえ - 私の最推しのイヌココが出た時はギャーギャー叫ばすにはいられませんでした (2021年11月2日 18時) (レス) id: 0560ab194e (このIDを非表示/違反報告)
ATR214YS(プロフ) - 更新ありがとうございます!!!あああもう好きっっ (2021年10月12日 23時) (レス) @page37 id: 5cda5f5352 (このIDを非表示/違反報告)
チョコプリン(プロフ) - 更新ありがとうございますぅぅやばいです!ようやくデレ九井くん登場でドキドキが止まらないのともう場地さぁぁぁんって気持ちで溢れて続きが気になりすぎます!!!、 (2021年10月12日 22時) (レス) @page37 id: e53e09d499 (このIDを非表示/違反報告)
ATR214YS(プロフ) - 場地さんんん切ねぇ😭更新お疲れ様です! (2021年10月9日 22時) (レス) @page27 id: 5cda5f5352 (このIDを非表示/違反報告)
ATR214YS(プロフ) - うわぁめちゃくちゃ続き気になるっ更新お疲れ様です! (2021年10月9日 17時) (レス) @page25 id: 5cda5f5352 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:美桜 | 作成日時:2021年10月3日 14時