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『お母さん！』
今でも幻聴のように聞こえてくるの。
何度殴られて、頭を床に押し付けられても痛みも感じなくなってきた。こんなぼろぼろな姿になったから、私の両親にも私を会わせなくなった彼。
「許さないから絶対に」
「まだ言ってんのかよ。俺じゃねぇよアイツ殺したのは」
誰も殺したなんて言ってないでしょ。
こんな日々の中、生きる意味ってあるんだろうか。
竜胆が望んだ結果がこれだと知った時、彼はどうするんだろう。もう10年も会っていないから私のことなんて忘れたかもしれない。他の人を好きになって結婚している可能性だってあるじゃない。
「…………………」
ふらふらと日中にお散歩する。海が見渡せる場所でベンチに座っていた。いつものようにさくらのワッペンを握って、「どうしたら楽になれるのかな」って幸せになれる方法を探し続ける。
不意に後ろから抱きしめられて驚くも、匂いと暖かさに身に覚えがあって涙が溢れ出した。
「ーーーごめん」
「……竜胆……っ」
振り向くとすぐに唇が重なった。
この唇も、温もりも全部竜胆だ。あの時と変わらない竜胆がいて、幻想かもしれないけれどそれでも。
「お前を苦しめてる奴は誰だ」
「…………竜胆、お願い助けて」
竜胆はいつも私のヒーローで、苦しい時助けて欲しい時に必ず助けてくれる。泣きじゃくって竜胆に抱きついた。
「………私、……私ね、……誰でもない竜胆が、いい……」
初めて竜胆も背中に腕を回してギュッと抱きしめてくれた。「俺が幸せにするから、もう泣くな」そう言って、私を抱きしめる竜胆の瞳が昔とは違うことに私は気が付かなかった。
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推しが尊い - 控えめに言って最高。ガチ拝みます。 そして涙腺崩壊したんだが。主大好きです！これからも愛読します！ (2021年11月24日 1時) (
レス) id: 11fe216a38 (このIDを非表示/違反報告)
お米。(プロフ) - コメント失礼します！めっちゃ感動しました！純愛で初恋、最高です！ (2021年10月20日 21時) (レス) @page46 id: a1083db659 (このIDを非表示/違反報告)
みつば(プロフ) - 読ませていただきました！竜胆が今後どうなるかドキドキです！更新楽しみに待ってます😊 (2021年9月24日 0時) (レス) @page8 id: b05da2f35a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：美桜
| 作成日時：2021年9月23日 14時
