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「へぇ、佐倉ってあそこでバイトしてんのか」
「うん」
午後一番に学校に行けば、俺の席に知らねぇ奴が座っていて、Aと話していた。「邪魔、退け」と言えば青ざめて腰を上げていってしまう。
「竜胆、もうまた遅刻してきて」
「兄ちゃんと他校のやつシメてきた」
「無傷だからいいけど、喧嘩はダメ」
どかっと座り、チラリと見れば怒った顔で俺を見ていた。喧嘩のことで怒るなんて今更だろと思ったが、そんな顔を見るのも好きだから黙っておいた。
「………で、」と話を切り替えて、さっきのやつ誰？と聞けばクラスメイトの桐谷くんだよと教えられるも興味ねぇから覚えていない。
「A、お前気をつけろよ」
「何を？」
「馬鹿だから変な奴に目をつけられんだよ」
だから他のシマの奴らに拉致られたり、時々変なツボ買ってきたりしてんだ。小学生の頃も一度誘拐されかけてるし。コイツは危なっかしい奴だから。
「でも、竜胆が助けてくれるでしょ？」
「俺が助けれる範囲でな」
コンビニ袋の中からAが好きなフルーツジュースの紙パックを出す。ほらよ、と渡せば嬉しそうに笑って飲み始める。
「竜胆は優しいね。飲む？あ、飲みかけだけど……」
「飲む」
血で汚れた俺の手ですら、Aは綺麗だと言う。知らねぇ気にならねぇ奴は殴るような俺のことをいつも「竜胆は優しいね」って言ってんだ。
返したパックジュースをちまちまと飲んでいるAに「うまい？」と聞けば、うんととびきりの笑顔を見せてくる。なんて幸せな奴なんだろうな。
「A、お前にはああいう奴がいいんじゃね？」
さっきの男みたいな、と付け加える。
そうすれば立ち上がったAが俺にパックジュースを投げつけた。そいつの顔を見れば今にも泣き出しそうな顔をして、「竜胆の馬鹿」と鞄を持ち教室を出ていった。
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推しが尊い - 控えめに言って最高。ガチ拝みます。 そして涙腺崩壊したんだが。主大好きです！これからも愛読します！ (2021年11月24日 1時) (
レス) id: 11fe216a38 (このIDを非表示/違反報告)
お米。(プロフ) - コメント失礼します！めっちゃ感動しました！純愛で初恋、最高です！ (2021年10月20日 21時) (レス) @page46 id: a1083db659 (このIDを非表示/違反報告)
みつば(プロフ) - 読ませていただきました！竜胆が今後どうなるかドキドキです！更新楽しみに待ってます😊 (2021年9月24日 0時) (レス) @page8 id: b05da2f35a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：美桜
| 作成日時：2021年9月23日 14時
