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「ほんとやだ。鬼殺隊辞めたいんだけど!!」
Aが隣で駄々を捏ねている。
炎柱である俺に同行しての任務だ。俺の継子だから、俺との任務は多い。駄々を捏ねながらもしっかりと俺の後をついてきている。
「煩いぞ、A!!」
「杏寿郎の方が煩いんだけど」
「"杏ちゃん"」
「あー!!やめてやめてー!!!」
「はっはっは!」
今ではすっかりと"杏寿郎"と呼ぶようになり、昔のようには呼んでくれない。それだけ自我が成長したと言うことだろうが、幾分か寂しいものだ。
鬼殺隊を辞めると言い出して暫く経つが、任務が入れば必ず任務遂行をしている彼女だ。恐らく辞めたいと言い出したのはAのただの気まぐれにすぎない。
首に繋がるリボンが楽しげに揺れている。
「あぁ、もうほんと私、なんで鬼殺隊なんだろう」
「それはAが決めた人生だからだ!」
「なんか名言みたいで嫌だから、やめてくれない?」
道中、焼き芋売りを見つけ、二つ買い、彼女に一つを渡すと嬉しそうに頬を緩めた。
芋を食べながら、歩みを進めていると、「で、今回の任務って何?」と首を傾げた。ふむ、鴉から司令を受けた時、君も一緒に聞いていたはずだ。
「ごめんねぇ、あの時半分寝たたから」
「やる気がないな!」
「ないよ」
「心を燃やせ!!こ!こ!ろ!を!」
「煩い」
俺の言葉を遮ってくる彼女に、咳払いをする。改めて、今回の任務内容を伝える。暫く無言だったAから「……ふーん」と音が放たれた。
「つまるところ、男ばかりを狙った犯行ってとこ?」
「そうだ!」
「じゃあここはひと肌脱ぎますか」
「やめろ!誰も君の裸体は見たくない!」
杏寿郎、と呼ばれる横を見る。
すぐに口の中に入ってきた、Aの食べかけの芋。冗談のつもりが、逆麟に触れてしまったらしい。
日輪刀に手をかけるAに「対律違反だ、やめておけ!」と注意をする。それでも抜刀する彼女から走り出した。世の中物騒になったものだ。女がこうして男を追いかけているのだからな。
「待てぇえええ!!炎柱ぁあああ!!」
「はっはっは!」
「笑ってんじゃない!!」
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結構お話ストックしてあるので更新多めにして参ります!
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美桜(プロフ) - あ ま ね 。さん» コメントありがとうございます。やはり不死川さん好きなので、なにかと絡み入れたくなるんですよね笑夢主ちゃんは風柱のことを「おはぎ柱」と呼んでるんで、毎回この流れになってます笑 (2020年12月5日 20時) (レス) id: d3adf571e3 (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - めるさん» コメントありがとうございます!そのように言っていただけて嬉しいです。執筆の励みになります!出来るだけ毎日更新していくのでよろしくお願いします! (2020年12月5日 20時) (レス) id: d3adf571e3 (このIDを非表示/違反報告)
あ ま ね 。(プロフ) - おはぎ柱で爆笑しました笑笑 更新楽しみにしてます! (2020年12月5日 8時) (レス) id: 36c644cd03 (このIDを非表示/違反報告)
める(プロフ) - ほんとうにほんとうに美桜さんの作品がすきなので続きが楽しみで仕方ないです…。わくわくして待ってます!! (2020年12月5日 2時) (レス) id: 0fd2e5e0a5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:美桜 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ririsa10713/
作成日時:2020年12月4日 20時