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「あら、Aちゃん帰ってきてたの?」
「はい。どうかしましたか?」
「ちょうど良かったわ。お願いしたいことがあって、頼めるかしら?」
杏寿郎と千寿郎と三人で庭で竹刀を振っていると、さつまいものお裾分けに近隣のおばさんがやってきた。何か困っているのか、話を聞いた後チラリと杏寿郎を伺う。
彼はニコリと笑って「いいぞ!」と許可を出してくれた。少し待っていてください、と部屋に戻り、急いで綺麗な着物に腕を通した。
「杏寿郎ちゃんと千寿郎ちゃんも一緒にどう?」
「お言葉に甘えよう!」
ちゃっかり付いてきてる。
小さな茶室に座る大男。ちょっと歪だけど、真剣な顔をしている。私は目の前の茶釜からお湯をひとすくいし、茶碗に適量注いだ。
茶筅で抹茶を立てる音が茶室全体に聞こえる。
出来たきめ細やか泡を整えるように優しく茶筅を動かした。
「ーーーお茶をどうぞ」
煉獄家に居候前、つまり槙寿郎さんに拾われる前の前の私はそこそこにいい家にいた。お茶やお琴と言ったことはもちろん、着付けや化粧とか女らしいことばかりさせられていた。
まあそれは全て私を花街に売り出すための教養でらあったのだけど。自分で言うのもアレだが、私は性格は今はこうでも顔や形は可愛い。だから高値で売れたはずだ。
花街に売られてからは、負けず嫌いの性格が表に出過ぎた。一番にならないと嫌で自分磨きもそりゃしましたよ。一番になる前に、私がいた花街が鬼の被害に遭い、槙寿郎さんに助けられそのまま保護された。
「ありがとうねぇ。助かったわ」
「いえいえ、私にできることがあればなんなりと。帰ってきてる時だけに限りますけどね」
はは!と声をあげて笑う。
人の力になれることをするのは好きだ。それでその人が笑顔になってくれるのなら尚更。
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美桜(プロフ) - あ ま ね 。さん» コメントありがとうございます。やはり不死川さん好きなので、なにかと絡み入れたくなるんですよね笑夢主ちゃんは風柱のことを「おはぎ柱」と呼んでるんで、毎回この流れになってます笑 (2020年12月5日 20時) (レス) id: d3adf571e3 (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - めるさん» コメントありがとうございます!そのように言っていただけて嬉しいです。執筆の励みになります!出来るだけ毎日更新していくのでよろしくお願いします! (2020年12月5日 20時) (レス) id: d3adf571e3 (このIDを非表示/違反報告)
あ ま ね 。(プロフ) - おはぎ柱で爆笑しました笑笑 更新楽しみにしてます! (2020年12月5日 8時) (レス) id: 36c644cd03 (このIDを非表示/違反報告)
める(プロフ) - ほんとうにほんとうに美桜さんの作品がすきなので続きが楽しみで仕方ないです…。わくわくして待ってます!! (2020年12月5日 2時) (レス) id: 0fd2e5e0a5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:美桜 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ririsa10713/
作成日時:2020年12月4日 20時