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炎柱を辞めて、酒に溺れてしまった槙寿郎さんだが、それでも私を助けてくれたことには感謝している。どんなにだらしなくなろうが、私はきっと彼を一生恩人として、そして剣技を教えてくれた師として尊敬し続ける。
「私、一日中酒に溺れている槙寿郎さんでも剣技においては尊敬はしてるんですよ。杏寿郎に対しての態度は正直見てて苛つきますが」
「お前は俺ではなく、杏寿郎の味方だな」
「そりゃそうですよ。杏寿郎が私にとってどんな存在なのか一番知ってるの貴方じゃないんですか？」
杏寿郎や千寿郎とろくに会話しない槙寿郎さんだが、私と二人きりの時は割と話をしてくれる。酒瓶に手を伸ばしてきたので、すぐにその酒瓶を没収した、
私がこの煉獄家に来てから、杏寿郎と共に育ったのをすぐそばで見てきたのだからきっとわかっている。彼だって歴とした父親なのだから。
「…………それと報告が遅くなりましたが、先日任務で母と再会しました」
「そうだったのか。話したくなければ無理して話さなくていい」
「ううん、聞いてて欲しいな」
私にとって貴方は父親のような存在だから、なおさら。杏寿郎との任務で母に再会したこと、その母が鬼を匿っていたこと、あったこと全てを話した。
母がどうして私を花街に売ったのか、それを話すとき何故だか震えも何もなかった。
杏寿郎のお陰で本当に吹っ切れたようだ。
最後に槙寿郎さんに「母は死にました」と伝えた。彼は目を見開きながらも、「そうか」とだけ呟いた。「大丈夫か？」と気遣いの言葉はない。むしろそっちの方がありがたい。
「私の存在価値を、杏寿郎が教えてくれたから今私が私でいられる。誰かの一番になりたかった私に、杏寿郎がね、君は一等大切な人だって言ってくれたんです」
お茶を飲んでいた槙寿郎さんがむせて、ゴホゴホと咳き込んだ。大丈夫ですかと心配すれば、「そんなことを言っていたのか」と彼は頭を抱え始める。
「改めて杏寿郎の人柄の良さを知ることができました」
「………」
「杏寿郎がたくさんありがとうって言ってくれたから、私も言おうと思って。……槙寿郎さん、杏寿郎の父親でいてくれてありがとう」
ニッコリ笑顔を浮かべて、「槙寿郎さんのことお父さんって呼ぼうかな」と冗談を言ってみれば、彼は照れ臭そうに勝手にしろと言って腰を上げた。部屋を出て行く際に見えた口元が綻んでいたのを見逃さなかった。
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夕憑紅(プロフ) - あの、お話自体を否定しているようで申し訳ないのですけれども、呼吸の色とかは、実物では無かったと、漫画にで書いてあった気がします。 (5月8日 17時) (
レス) @page2 id: 2500c6590e (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - あ ま ね 。さん» コメントありがとうございます。やはり不死川さん好きなので、なにかと絡み入れたくなるんですよね笑夢主ちゃんは風柱のことを「おはぎ柱」と呼んでるんで、毎回この流れになってます笑 (2020年12月5日 20時) (レス) id: d3adf571e3 (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - めるさん» コメントありがとうございます！そのように言っていただけて嬉しいです。執筆の励みになります！出来るだけ毎日更新していくのでよろしくお願いします！ (2020年12月5日 20時) (レス) id: d3adf571e3 (このIDを非表示/違反報告)
あ ま ね 。(プロフ) - おはぎ柱で爆笑しました笑笑 更新楽しみにしてます！ (2020年12月5日 8時) (レス) id: 36c644cd03 (このIDを非表示/違反報告)
める(プロフ) - ほんとうにほんとうに美桜さんの作品がすきなので続きが楽しみで仕方ないです…。わくわくして待ってます！！ (2020年12月5日 2時) (レス) id: 0fd2e5e0a5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：美桜
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ririsa10713/
作成日時：2020年12月4日 20時
