検索窓
今日:6 hit、昨日:4 hit、合計:368,441 hit

45* ページ46

*



気持ちを伝える。
それは何度も考えた。それに、何度も実行した。俺が何もせずに、ただずっと側でAを見ていたと思うのか?



「何度かすでに好きだと伝えている!」

「まじ?」

「本当だ!」



当時11歳。
A出会い数ヶ月後のことだった。あまりに可愛い彼女に、食卓を囲んだ夕餉の際、言葉を放った。




「俺はAが好きだ!」

「私も杏ちゃんのこと好きだよ」




ニッコリと花を飛ばすように笑う彼女に、「ありがとう!」と返した。
それから、鬼殺隊入隊直後。




「A、最終選別に合格した。そして俺は君のことが好きだ!」

「ほんと!おめでとう!私も杏ちゃんのこと大好きだよ!」




そして18歳。




「A、君はとても愛らしい。好きだ!」

「もう何度も言わなくてもわかってるよ。私だって杏寿郎のこと尊敬しているし、好きだよ」




ごく如く、俺の告白はAには伝わらなかった。恐らく俺が伝えた全ての「好き」という気持ちは、一人の女性としてではなく家族としての「好き」だと彼女は思い込んでいるのであろう。



「先日も、Aに一等大切た人だと伝えたが、伝わらなかった!」

「そこまでとはな」

「あぁ、鈍いと言ったら怒られてしまった」



その時のAを思い出してはクスクスと小さく笑った。俺が言った鈍いを腕が鈍っていると指摘されたと勘違いし、眉を吊り上げていた。何度も鈍いと言えば、怒って紅芋たるとをたくさん注文されしまった。


俺のことを一人の男としてみてくれる、そういう日をいつかは期待している。意識し、俺を見ては首まで真っ赤にさせた君を見れる日を。



「気持ち真正面から派手にぶつけても伝わらねぇって、アイツどれだけ鈍感なんだよ」

「そこも愛らしくていいのだが!それにだ、宇髄」

「なんだ」

「なかなか手に入らない女ほど、いい女はいないと俺は思っている!」



追加で頼んだ芋羊羹が手元に到着する。
もう二本追加で頼む俺の隣で、宇髄が声を上げて笑った。



.

46→←44*



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (225 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
817人がお気に入り
設定タグ:鬼滅の刃 , 煉獄杏寿郎 , 炎柱継子   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

美桜(プロフ) - あ ま ね 。さん» コメントありがとうございます。やはり不死川さん好きなので、なにかと絡み入れたくなるんですよね笑夢主ちゃんは風柱のことを「おはぎ柱」と呼んでるんで、毎回この流れになってます笑 (2020年12月5日 20時) (レス) id: d3adf571e3 (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - めるさん» コメントありがとうございます!そのように言っていただけて嬉しいです。執筆の励みになります!出来るだけ毎日更新していくのでよろしくお願いします! (2020年12月5日 20時) (レス) id: d3adf571e3 (このIDを非表示/違反報告)
あ ま ね 。(プロフ) - おはぎ柱で爆笑しました笑笑 更新楽しみにしてます! (2020年12月5日 8時) (レス) id: 36c644cd03 (このIDを非表示/違反報告)
める(プロフ) - ほんとうにほんとうに美桜さんの作品がすきなので続きが楽しみで仕方ないです…。わくわくして待ってます!! (2020年12月5日 2時) (レス) id: 0fd2e5e0a5 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:美桜 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ririsa10713/  
作成日時:2020年12月4日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。