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「私の実力認めてくれてるなんて嬉しいなぁ。てっきり嫌われてると思ってたから」
「好きではありませんよ」
「えっ」
嫌悪感を抱かれ、嫌われているものだと思っていたが、やはり好かれてはいなかったらしい。実力を蟲柱に認められているから嫌われていないと若干嬉しく思っていたのに。
「Aさんの実力は柱に匹敵するほどだと私は思っています」
「未だに杏寿郎に勝てたことないのに?」
「それでもですよ」
杏寿郎と非番が被った時には一日中手合わせをしてもらっている。あの熱い男だからこそ、手合わせに抜かりはない。ぶっちゃけしんどいぐらい。それでもまだ私は本気の杏寿郎を見たことがなかったりする。
ううん、手合わせの最中、本気であるのだけど、やはり人間である私に対しては少し気を緩めていると言った感じだろうか。
未だに勝ったこともないし、杏寿郎との焼き芋対決も連敗続き。
「もしも、柱に空きが出た場合、次期柱は貴方だと言われているぐらいです」
「…………ごめん、ちょっと待って」
継子としての役割はなんとなく知っている。
それとしのぶさんの言葉に私は笑顔だった顔を歪めた。炎柱は二人もいらない。"柱に空き"詰まるところ"炎柱空席"と言ってもいい。何気なく言ったことなんだろうけど、私はその言葉が嫌だった。
「杏寿郎は強いよ。だから、炎柱がいなくなることはない。杏寿郎がいない未来を想像させないで」
その場に沈黙が流れた。
「ごめんなさい」としのぶさんにすぐに謝っては、立ち上がった。軟膏を片手に、蝶屋敷を足速に後にする。
鬼を倒すために、鬼殺隊がある。
年間何百人という人たちが鬼に殺され、そしてその中には多くの鬼殺隊士も含まれている。私や杏寿郎、他の柱だっていつその数に含まれてしまうかわからない。
けど、それでも、杏寿郎だけは。
「(……………私の光だから)」
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『私杏ちゃんとずっと一緒にいたい!』
『あぁ、約束だ!』
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ーーー私は、杏寿郎とこの先何十年も一緒にいたいの。
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美桜(プロフ) - あ ま ね 。さん» コメントありがとうございます。やはり不死川さん好きなので、なにかと絡み入れたくなるんですよね笑夢主ちゃんは風柱のことを「おはぎ柱」と呼んでるんで、毎回この流れになってます笑 (2020年12月5日 20時) (レス) id: d3adf571e3 (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - めるさん» コメントありがとうございます!そのように言っていただけて嬉しいです。執筆の励みになります!出来るだけ毎日更新していくのでよろしくお願いします! (2020年12月5日 20時) (レス) id: d3adf571e3 (このIDを非表示/違反報告)
あ ま ね 。(プロフ) - おはぎ柱で爆笑しました笑笑 更新楽しみにしてます! (2020年12月5日 8時) (レス) id: 36c644cd03 (このIDを非表示/違反報告)
める(プロフ) - ほんとうにほんとうに美桜さんの作品がすきなので続きが楽しみで仕方ないです…。わくわくして待ってます!! (2020年12月5日 2時) (レス) id: 0fd2e5e0a5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:美桜 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ririsa10713/
作成日時:2020年12月4日 20時