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「ただいま帰った!」
予定よりも一日早く帰ることができた。煉獄家の門を潜り、玄関を開けてそう叫ぶ。いつもの千寿郎の「おかえりなさい」がなく、あったのは何かが焦げた匂いと異臭だった。
パタパタと足音が聞こえてきた。割烹着を身につけたAが「おかえり杏寿郎」と出迎えてくれた。どうしたその格好は!と尋ねる俺に、真剣な顔をして千寿郎の部屋へと案内した。
「千寿郎、大丈夫か!兄がわかるか?!」
「わ、わかりますよ兄上」
「気を確かに持つんだ!」
「はっきりと気はあります」
熱を出してしまった千寿郎が寝込んでしまっている。普段から屋敷のことを任せているせいか、疲れが溜まっているのかもしれない。弟の疲労に気づかないとは、兄として不甲斐ない。
千寿郎はAの行方を聞いてくる。
台所にいると伝えれば、千寿郎が「Aさんが夕餉を作ると言っているんです…!」と訴えてきた。それは今晩、大変なことが起きてしまう。
台所に彼女がいる理由、そして焦げた匂いと異臭は彼女が生成させたものだとすぐに気がついた。これでは、千寿郎の下がる熱も下がらなくなってしまう。それに加え、煉獄家の血が途絶えてしまう。
「これは大変だ!Aを止めさせなければならない!」
Aは自己紹介をする際必ずと言っていいほど、特技は料理だと言っている。自称料理好きだ。だが、作るものは決して美味しいとは言えない。出されるものは基本焦げている。色があるものに関しては異臭と異味だ。
彼女を傷つけないように慎重に料理を阻止させねばならない。ーーー任務はすでに始まっていた。
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美桜(プロフ) - あ ま ね 。さん» コメントありがとうございます。やはり不死川さん好きなので、なにかと絡み入れたくなるんですよね笑夢主ちゃんは風柱のことを「おはぎ柱」と呼んでるんで、毎回この流れになってます笑 (2020年12月5日 20時) (レス) id: d3adf571e3 (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - めるさん» コメントありがとうございます!そのように言っていただけて嬉しいです。執筆の励みになります!出来るだけ毎日更新していくのでよろしくお願いします! (2020年12月5日 20時) (レス) id: d3adf571e3 (このIDを非表示/違反報告)
あ ま ね 。(プロフ) - おはぎ柱で爆笑しました笑笑 更新楽しみにしてます! (2020年12月5日 8時) (レス) id: 36c644cd03 (このIDを非表示/違反報告)
める(プロフ) - ほんとうにほんとうに美桜さんの作品がすきなので続きが楽しみで仕方ないです…。わくわくして待ってます!! (2020年12月5日 2時) (レス) id: 0fd2e5e0a5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:美桜 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ririsa10713/
作成日時:2020年12月4日 20時