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*
「………う"っ、う"っ、うわあああん、痛い！！」
「…………………」
「なんで私がこんな目に〜！！私の性格をこんなふうに育てたのは杏寿郎だけど、実際育ててくれたのは槙寿郎さんなのに！！！」
わーわー泣き散らした。
体のあちこちが赤く腫れている。杏寿郎は手加減しているとは言え、やっぱり痛い。傷が残ってくれたらどうしてくれんだ。
「俺には関係ない」
「何を言うんですか！！ここに住みはじめた当初、娘が出来たみたいだって言ってたくせに！」
「…………」
「無視しないでくださいよ！！！！」
現在、槙寿郎さんの部屋。
父親というものは、娘の涙に弱いことを私は知っている。だが、しかし、可愛い私が泣いてもこの人の心にはなんの響きもないようだ。そんなことに気づけばすぐに涙は出てこなくてなる。
終いには出て行けと酒瓶を投げつけられた。
すんでのところで避ける。私の顔にぶち当たっていたら、この人どうするつもりだったんだろう。
赤くなったところを押さえながら廊下を歩いていくと、先の方から千寿郎がやってきた。タッタッタと走っていき、その小さな体を抱きしめる。
「Aさん、苦しいです……っ」
「千寿郎は可愛いねぇ。ほんと天使よ」
体を離し、まじまじと千寿郎の顔を見つめる。
顔は煉獄家の遺伝子が強いので全くもって父親、そして兄の杏寿郎と瓜二つだ。下がった眉を指で吊り上げさせる。こうしていると杏寿郎の小さい頃にそっくりだ。その顔に、ふふふっと微笑んで頬を撫で下ろした。
だけど、やっぱり千寿郎は、
「可愛い可愛い」
「可愛いはあんまり嬉しくないです……」
「仕方ないじゃない、可愛いんだから」
ヨシヨシ、と頭を撫で回す。
こういう弟が素直に欲しい。一人っ子だから、兄妹がいる人に密かに憧れていた。照れつつも子供扱いしないでくださいと訴えてくる千寿郎に「私の弟になる気はない？」と真剣に聞いた。
「千寿郎は俺の弟だ！！！」
「どこから湧いてきた」
「そして、A、君のことは、…………妹のように思っているぞ！」
家族のいない私を本当の家族のように扱ってくれるこの煉獄家の暖かさが好き。だけど、正直、杏寿郎の口からその言葉を聞くのは好きじゃなかった。その理由はいまだにわからない。
その正体を知った時、きっと私はここにはいられなくなる。
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夕憑紅(プロフ) - あの、お話自体を否定しているようで申し訳ないのですけれども、呼吸の色とかは、実物では無かったと、漫画にで書いてあった気がします。 (11時間前) (
レス) @page2 id: 2500c6590e (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - あ ま ね 。さん» コメントありがとうございます。やはり不死川さん好きなので、なにかと絡み入れたくなるんですよね笑夢主ちゃんは風柱のことを「おはぎ柱」と呼んでるんで、毎回この流れになってます笑 (2020年12月5日 20時) (レス) id: d3adf571e3 (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - めるさん» コメントありがとうございます！そのように言っていただけて嬉しいです。執筆の励みになります！出来るだけ毎日更新していくのでよろしくお願いします！ (2020年12月5日 20時) (レス) id: d3adf571e3 (このIDを非表示/違反報告)
あ ま ね 。(プロフ) - おはぎ柱で爆笑しました笑笑 更新楽しみにしてます！ (2020年12月5日 8時) (レス) id: 36c644cd03 (このIDを非表示/違反報告)
める(プロフ) - ほんとうにほんとうに美桜さんの作品がすきなので続きが楽しみで仕方ないです…。わくわくして待ってます！！ (2020年12月5日 2時) (レス) id: 0fd2e5e0a5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：美桜
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ririsa10713/
作成日時：2020年12月4日 20時
