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*
Aさんを訪ねるようになり一週間。
彼女はよく縁側に座っている。話しかければ、渋々話してはくれるが、煉獄さんの話になると泣きじゃくり「聞きたくない」「帰ってくれ」と連呼していた。
そしてある日、Aさんを訪ね、再びこの街にやってきた。街を歩き大きな橋を渡っていると、そこにAさんはいた。手すりに手をそっと置き、川を眺める彼女に、思わず走り出し肩を掴んだ。
「…………竈門くん」
「Aさん、変なこと考えてませんか？」
悲しみの匂いが強いせいではっきりとはしなかった。けど、今にもここから飛び降りてしまいそうに思えた。
彼女は力なく笑うと「そんなことしたら、杏寿郎に嫌われちゃう」と呟いては歩き出した。その後ろをついていく。さっきの川がよく見える川辺にやってきた。
そこに座る彼女は包みから焼き芋を一つ出すと二つに割った。大きい方を俺に渡しては「杏寿郎の好物よ」と言って口にする。
「Aさん、」
「ーーー受け入れないといけないってわかってる」
「…！」
涙を浮かべるAさんは、膝に顔を埋めるようにして静かに泣いた。受け入れないといけないと自分自身わかっているけれど、受け入れられないんだということ。
「私を一人にしないと約束してくれた杏寿郎を信じてた。親が死んで暗闇にいた私に光を差し伸べてくれて、いつも眩しい世界に引っ張ってくれていたの」
「………………」
「杏寿郎、………亡くなったって、……受け入れたら、………私は…………私は、……」
途切れ途切れに紡がれた言葉に、悲しみよりも絶望の匂いが強くなる。あぁ、煉獄さん。貴方の言っていた通りだ。
『彼女は強い人だ。だが、心の内はとても弱い。彼女にはどうしても言葉で伝えたかった。だから、少年、君に託す』
.
「Aさん、そのまま聞いてください。
ーーー俺の魂は、永遠に君のそばについている。煉獄さんが最期、貴方に伝えるように俺に託した言葉です。いなくなった訳ではない、いつも煉獄さんの魂は、貴方のすぐそばにいるんだと」
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大粒の涙がまたたくさん彼女の頬を伝う。声を上げて泣くAさんはずっと煉獄さんの名前を呼んでいた。
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るる - 読んでる途中に目から水が､､､､､､､､ とってもいい作品でした!!!!!! (7月25日 14時) (
レス) @page50 id: daa8a87cdb (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - 初めまして！涙なしに観れませんでした… (2021年9月26日 18時) (レス) @page50 id: fb083d1d07 (このIDを非表示/違反報告)
名無し12758号(プロフ) - 素敵なお話をありがとうございます…！一話目から引き込まれて全て読みました、鼻水まで出してみっともない泣き顔で読んでしまいました…笑笑映画でもボロ泣きしましたがこれでも号泣してしまいました、素敵な話が読めて良かったです。本当にありがとうございます！ (2020年11月23日 19時) (レス) id: 3be706ff9b (このIDを非表示/違反報告)
ちえ - 初めまして！このお話を深夜に見かけ一気に読みました。映画でも泣きましたが、このお話も号泣でした。素敵なお話ありがとうございます。何度でも読んでしまいそうです。 (2020年11月23日 2時) (レス) id: b7bf575f91 (このIDを非表示/違反報告)
raaaaaaam(プロフ) - 初めまして！私も一気に読み、深夜なのに号泣笑 隣に寝てる子供が起きるぐらい泣いてしまいました笑 煉獄さん、、最高！素敵な夢を見させて下さりありがとうございます(T_T) (2020年11月20日 4時) (レス) id: c6906907ca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：美桜
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ririsa10713/
作成日時：2020年10月26日 20時
