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*
『ーーーA、来年の春、俺と結婚してほしい』
結婚を申し込まれてから半年が経つ。
「……………」
「……………わ、あ、」
薄ら目を開けると、あたりはもう蜜柑色に染まっている。隣に頭を預けていたらしく、慌てて顔を上げると「起きたか」と優しげな声が落とされた。
あぁ、そうか、陽だまりが気持ちよく寝てしまっていたんだ。ふと彼の隣を見ると羽織と隊服、日輪刀がセットで置かれていることに気がついた。
杏寿郎さんが帰ってきて、まだ一日しか経っていない。聞きたくはないけれど、「行くん…ですね」と口から出てしまう。
「悪いが任務が早まった。先ほど千寿郎に持ってきて貰ったところだ」
「………ごめんなさい、私が寝てしまっていたから……」
「なぜ謝る？俺は愛しい女の寝顔が見れ、至福の時間だった」
着替えても良いだろうか？と奥の部屋に入って行った彼は数分して、もう鬼殺隊の柱に戻っていた。
庭に出た彼は数年前、鬼殺隊になった当初と重なった。前よりも鍛え上げられているのは私にもわかる。
「懐かしい夢をみました」
「夢？」
「はい…。杏寿郎さんと出会った日だったり、鬼殺隊入隊の報告をしてくれた日だったり、……結婚を申し込んでくれた日のことを」
日輪刀を腰に差した彼は「生きてまた君のところに帰ってくる」、そう振り返り私を見つめる。少しでも安心させて行かせてあげられるように。
「ーーーいってらっしゃい」
笑顔で、貴方を送り出す。
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るる - 読んでる途中に目から水が､､､､､､､､ とってもいい作品でした!!!!!! (7月25日 14時) (
レス) @page50 id: daa8a87cdb (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - 初めまして！涙なしに観れませんでした… (2021年9月26日 18時) (レス) @page50 id: fb083d1d07 (このIDを非表示/違反報告)
名無し12758号(プロフ) - 素敵なお話をありがとうございます…！一話目から引き込まれて全て読みました、鼻水まで出してみっともない泣き顔で読んでしまいました…笑笑映画でもボロ泣きしましたがこれでも号泣してしまいました、素敵な話が読めて良かったです。本当にありがとうございます！ (2020年11月23日 19時) (レス) id: 3be706ff9b (このIDを非表示/違反報告)
ちえ - 初めまして！このお話を深夜に見かけ一気に読みました。映画でも泣きましたが、このお話も号泣でした。素敵なお話ありがとうございます。何度でも読んでしまいそうです。 (2020年11月23日 2時) (レス) id: b7bf575f91 (このIDを非表示/違反報告)
raaaaaaam(プロフ) - 初めまして！私も一気に読み、深夜なのに号泣笑 隣に寝てる子供が起きるぐらい泣いてしまいました笑 煉獄さん、、最高！素敵な夢を見させて下さりありがとうございます(T_T) (2020年11月20日 4時) (レス) id: c6906907ca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：美桜
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ririsa10713/
作成日時：2020年10月26日 20時
