番外編�� ページ49
*
ーーー令和○年、某月某日。
「Aちゃんって、好きな人いないの？」
高校1年生。
とある高校に通う私に、仲の良い友達がそう聞いてくる。首を横に振るえば、彼女は隣のクラスの男子が私に気があるらしいと伝えてくる。
こういう話好きだなぁって思いながら首を横に振るう。「私、そういうのわかんないから」と恋愛に興味がないフリをする。
この年になるまで、異性を好きになったことがなかった。それなのに、いつも誰かを私は探している。その誰かが未だにわからない。
「ねぇ、それよりさ、前世とかってあると思う？」
「えー、そんなのあるわけないじゃん！」
「……はは……だよねぇ……」
大正時代、鬼がいた。
私は鬼殺隊として、その鬼を倒していた。途中までの記憶しかないけれど、鬼は消滅したと古い書物に書いてあった。けれど、現代においても鬼は存在する。
1年前、刀鍛冶と出会い、日輪刀を作って貰ってから、修行をし力をつけ今世でも鬼狩りを独自に始めた。
放課後、すぐに家に帰ると玄関に入って早々に弟の隼人が抱きついてきた。「姉ちゃん！」と可愛い笑顔を見せる彼を抱きしめて「ただいま！」という。
「姉ちゃん、俺たち引っ越すんだって！」
「どこに？」
「東京！」
そうなの？と驚く私に、お母さんが「お父さんの転勤でねぇ」と台所からやってきた。高校に入りたてで、友達もいる中引っ越すことに、ごめんねと謝るお母さん。
そりゃあ友達と分かれることは寂しいけれど、私は家族ともう離れ離れにはなりたくなかった。
「姉ちゃん、早く好きな人に出会えるといいね」
「？」
「きっとね、姉ちゃんのこと待ってる人がいるよ！」
「そうだね？いつか、会えるかなぁ」
数日前、夢を見た。
どこか大きなお屋敷で、着物姿の私とそしてまだ小さな隼人がいた。隼人のすぐそばでは誰かわからない男の人が一緒に遊んであげていた。前世の記憶がしっかりあるのに、何故だかその人だけ顔にモヤがかかっており、誰だかわからない。
ただ一つ、言えることは。
その人に愛されている私はとても幸せそうだったってこと。
.
私は信じている、いつかきっと私に恋い焦がれ続けている人に出会えることを。
「………お前ッ……！」
「ーーー初めまして、
「……ッ、」
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1143人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ちい - 最後まで読めて良かったです！お疲れ様でした。とっても素敵な作品でした！ (2020年7月15日 11時) (
レス) id: 51ace004ba (このIDを非表示/違反報告)
めんま - 完結おめでとうございます！本当にいい作品に出会えて幸せでした！！！ (2020年7月13日 21時) (レス) id: c67fb2a2b3 (このIDを非表示/違反報告)
らはさ - ごめんなさい。↓↓↓間違えて、2つ書きこんでしまいました。 (2020年7月13日 20時) (レス) id: 9c9562d775 (このIDを非表示/違反報告)
らはさ - ベイバの小説からこの小説を発見しました。これも面白かったです。 (2020年7月13日 20時) (レス) id: 9c9562d775 (このIDを非表示/違反報告)
らはさ - ベイバの小説からこの小説を発見しました。これも面白かったです。 (2020年7月13日 20時) (レス) id: 9c9562d775 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：美桜
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ririsa10713/
作成日時：2020年6月11日 20時
