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厄介な血鬼術で兎と化してしまった俺。
Aはもう一日隼人を胡蝶に預けると俺と一緒に屋敷に帰ってきた。
兎になっている俺がそんなにいいのか、Aが見たこともないぐらいに「可愛い」と言って戯れてくる。撫でてくるAに、兎の本能なのか身体がいうことを聞かねぇ。
Aの唇、頬、まぶた、ひたい、いろんな箇所に舌を這わせる。耳を甘噛みすれば、小さな悲鳴をあげるAにゾクゾクとする。
やめてと拒むAの手のひらをれろりと舐めれば、彼女は顔を真っ赤にさせた。その姿に、息を飲む。そして組み敷いたAに、数秒後、「駄目!」俺の大事なもんを思いっきり蹴られた。
「………ご、ごめんなさい……だ、大丈夫?」
「大丈夫に見えるかァ……?」
「……見えない」
「実弥も悪いからね」と怒るソイツに「悪ィ」と謝れば、素直でよろしいと返された。どうすればこの血鬼術が解けるかを二人で考えていると、すぐに外は暗くなった。
Aが飯を作り、呼ばれるまで部屋にいた俺はのそのそと居間へと向かった。机の上に並べられる料理に白目を向いた。
「………なんで人参ばかりなんだァ」
「ほら、兎って人参が好きじゃない。今の実弥に人参料理作ってあげたら喜ぶかなって」
「俺は兎じゃねェ……」
どの料理にも人参が使われている。
ま、まあ……と苦笑いを浮かべるAに、ため息を落として飯を食った。
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ちい - 最後まで読めて良かったです!お疲れ様でした。とっても素敵な作品でした! (2020年7月15日 11時) (レス) id: 51ace004ba (このIDを非表示/違反報告)
めんま - 完結おめでとうございます!本当にいい作品に出会えて幸せでした!!! (2020年7月13日 21時) (レス) id: c67fb2a2b3 (このIDを非表示/違反報告)
らはさ - ごめんなさい。↓↓↓間違えて、2つ書きこんでしまいました。 (2020年7月13日 20時) (レス) id: 9c9562d775 (このIDを非表示/違反報告)
らはさ - ベイバの小説からこの小説を発見しました。これも面白かったです。 (2020年7月13日 20時) (レス) id: 9c9562d775 (このIDを非表示/違反報告)
らはさ - ベイバの小説からこの小説を発見しました。これも面白かったです。 (2020年7月13日 20時) (レス) id: 9c9562d775 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:美桜 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ririsa10713/
作成日時:2020年6月11日 20時