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「そんな落ち込まないで」
「…………」
久しぶりにあった冨岡さんに、隼人は一緒にいたいと泊まりに行ってしまった。そして、夕方、居間の方で二人きりになるも、実弥は私の誕生日が今日だということを知らずにいたのかショックだったらしくずっと浮かない顔をしている。
話していなかったから仕方ないと言っても、自分より冨岡さんが知っていたことが一番心をえぐられたと言っている。冨岡さんは助けてもらった年、ちょうど訪ねてきた時が誕生日だったからそれで覚えててくれただけに過ぎないけれど。
「悪ィ。誕生日なのに、何も用意してやれてねぇ」
「私は何かが欲しいって訳じゃないよ」
いつも実弥には幸せや愛情をたくさん貰っている。それこそ、私と出会ってくれて、恋して、愛してくれてありがとうと、私が伝えたいぐらい。
ちょっと不機嫌な実弥の膝の間に入り込めば、何やってんだと言われる。ニコッと笑って、「この前良いものもくれた」とまとめた髪につけてあるかんざしを見せる。
「私、実弥のこと大好きだし、これから先もずっと一緒にいたい。実弥のこと理解しているつもりでいたけれど、結構実弥のこと知らなかった」
「……俺もだァ」
「だから、まだ私が知らない実弥を教えて？」
実弥の頬を手で包みこむ。
へへ、と笑うと実弥も小さく頬を上げてコツンと額を合わせてきた。鼻と鼻がくっつきそうな距離に恥ずかしくなる。
「不死川実弥。誕生日は11月29日ィ」
しっかりと覚えておこう。
今年の実弥の誕生日は、盛大に祝ってあげたい。
少し黙り込んだ実弥が次に口にした言葉に私は目を見開いた。
「6人いた下の兄弟は、玄弥を除いて皆、鬼になった母に殺された。……そんな母を殺したのは俺だァ」
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ちい - 最後まで読めて良かったです！お疲れ様でした。とっても素敵な作品でした！ (2020年7月15日 11時) (
レス) id: 51ace004ba (このIDを非表示/違反報告)
めんま - 完結おめでとうございます！本当にいい作品に出会えて幸せでした！！！ (2020年7月13日 21時) (レス) id: c67fb2a2b3 (このIDを非表示/違反報告)
らはさ - ごめんなさい。↓↓↓間違えて、2つ書きこんでしまいました。 (2020年7月13日 20時) (レス) id: 9c9562d775 (このIDを非表示/違反報告)
らはさ - ベイバの小説からこの小説を発見しました。これも面白かったです。 (2020年7月13日 20時) (レス) id: 9c9562d775 (このIDを非表示/違反報告)
らはさ - ベイバの小説からこの小説を発見しました。これも面白かったです。 (2020年7月13日 20時) (レス) id: 9c9562d775 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：美桜
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ririsa10713/
作成日時：2020年6月11日 20時
