検索窓
今日:11 hit、昨日:22 hit、合計:319,005 hit

116 ページ19

.



「仲良くねェ」

「もう仲良くしてって言ったじゃない」



冨岡さんと一緒にやってきた実弥に、仲良しだねと言うとすごい嫌そうに顔を歪める。どうやらまだ冨岡さんに心を開いてくれてないらしい。


だが、冨岡さんがこうして屋敷を訪れるのは珍しかった。私のところを訪ねるのは片手で数えられるほどだ。


冨岡さんを睨んでいる実弥をさておき、「どうかしたんですか?」と聞けば、彼は手に持っていた風呂敷を私に渡してきた。え?と溢す私に、彼の隣にいた実弥までもは?と溢す。



「今日誕生日だろう」

「……あ、」



そういえば今日誕生日だったと、この時漸く気づいた。受け取ったものを広げてみると、以前文を送った際に、切れ味のいい包丁が欲しいと書いていたからか良さそうなそれと激辛煎餅の詰め合わせが入っていた。


お礼を言って、文の返信もくれると私嬉しいですと伝えれば「何を書いていいかわからない」と言われる。彼らしいなぁ。



包丁はどうやら冨岡さんの刀鍛冶に頼んだらしい。頂いた風呂敷と一緒に近くに置いて、「覚えててくへたんですね」と言えば、隼人が私の着物を引っ張った。


どうしたの?と顔を向ければ、「あっち」と指差す。指が向けられたほうには顔面蒼白になる実弥がいた。



「…………なんでコイツが知ってて、俺が知らねぇんだァ」

「実弥、生きてる?」



仕方ない、そういう話を今までにしたことがないのだから。……なんて思っているとふとあることに気がついた。


私は実弥の誕生日も知らないし、過去も知らない。よくよく考えれば、私たちはお互いのことをあまりよく知っていないのだと。



.

117→←115



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (302 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1143人がお気に入り
設定タグ:鬼滅の刃 , 不死川実弥 , 風柱   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ちい - 最後まで読めて良かったです!お疲れ様でした。とっても素敵な作品でした! (2020年7月15日 11時) (レス) id: 51ace004ba (このIDを非表示/違反報告)
めんま - 完結おめでとうございます!本当にいい作品に出会えて幸せでした!!! (2020年7月13日 21時) (レス) id: c67fb2a2b3 (このIDを非表示/違反報告)
らはさ - ごめんなさい。↓↓↓間違えて、2つ書きこんでしまいました。 (2020年7月13日 20時) (レス) id: 9c9562d775 (このIDを非表示/違反報告)
らはさ - ベイバの小説からこの小説を発見しました。これも面白かったです。 (2020年7月13日 20時) (レス) id: 9c9562d775 (このIDを非表示/違反報告)
らはさ - ベイバの小説からこの小説を発見しました。これも面白かったです。 (2020年7月13日 20時) (レス) id: 9c9562d775 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:美桜 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ririsa10713/  
作成日時:2020年6月11日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。