113 ページ16
.
「「…………あ、」」
任務帰り。
屋敷に帰るには街を通り抜けないといけなく、立ち並ぶお店を眺めながら歩いていた。そんなところに、偶然にもあったのは以前冨岡さんが助けてくれた時、言い合っていた彼だった。
お互い目が合うし、なにより言葉を溢してしまったから無視することも素通りすることもできず。何か喋らないと……と会話を考えるも何も出てこなかった。
だが、隊服どころか日輪刀すら身につけていない彼に不思議と「非番ですか？」と聞いてしまう。そうすれば彼は「鬼殺隊辞めたんだよお前のせいで」と言われた。
私のせい？そんなこと言われても、私は彼に怪我を負わせられたある意味被害者だ。何のことだという顔で彼を見ていれば、「柱なんざ味方につけやがって」と舌打ちを添えられる。
「蟲柱には心こもってねぇ笑み向けられ説教食らうし、風柱には半殺しに合うし」
「…………そ、それはなかなかに苦しい罰を……」
「……はァ、なあアンタって風柱のなんなんだ？」
彼は風柱である実弥に言われたらしい。「今後、風門Aとその弟のことを悪く言えば、俺がてめぇを許さねぇ」と。その言葉に、自分では気づかぬ間に頬を染めていた。
私と実弥の関係を聞いてくる彼に、私はなんと答えようか。だけど、考えた数秒後、すんなりと口から言葉は出てきた。
「最愛の人ですよ」
微笑んで答えると、彼は頬を赤らめて「どうでもいいわ」と言って私に背中を向けた。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1143人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ちい - 最後まで読めて良かったです！お疲れ様でした。とっても素敵な作品でした！ (2020年7月15日 11時) (
レス) id: 51ace004ba (このIDを非表示/違反報告)
めんま - 完結おめでとうございます！本当にいい作品に出会えて幸せでした！！！ (2020年7月13日 21時) (レス) id: c67fb2a2b3 (このIDを非表示/違反報告)
らはさ - ごめんなさい。↓↓↓間違えて、2つ書きこんでしまいました。 (2020年7月13日 20時) (レス) id: 9c9562d775 (このIDを非表示/違反報告)
らはさ - ベイバの小説からこの小説を発見しました。これも面白かったです。 (2020年7月13日 20時) (レス) id: 9c9562d775 (このIDを非表示/違反報告)
らはさ - ベイバの小説からこの小説を発見しました。これも面白かったです。 (2020年7月13日 20時) (レス) id: 9c9562d775 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：美桜
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ririsa10713/
作成日時：2020年6月11日 20時
