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夕方、未だに部屋で小さくなっているAを放って、蝶屋敷に来た。隼人を探していると、胡蝶と一緒にいる姿を発見した。
やけに楽しそうに話をしている隼人を遠目から見ていれば、反応がそれだった。なる程な、と考えつつ、Aには黙っておくかと心に決めた。そうでなければきっとまた拗れてめんどくせぇことになりそうだ。
「隼人帰んぞォ」
「あ、実弥兄ちゃん!」
「不死川さん、非番ですか?」
おう、と返し、足に抱きついてくる隼人を肩に乗せてやる。ソイツは嬉しそうに笑い、「そろそろ帰らないと姉ちゃん寂しがるから」と言って胡蝶に礼を言っていた。
「しのぶさん、また来るね」
「えぇ、お待ちしてますよ隼人くん」
「うんっ」
ポッと頬を染める隼人が小さく手を振る。
その隼人と帰る途中、Aの話を振れば「姉ちゃんがあんまりしつこいから!」とぷんすか怒っている。
すげぇ落ち込んでるぞォ、と伝えると「弟離れできるいい機会だと思うよ!」と厳しいお言葉をいただく。
「あ、実弥兄ちゃん、寄り道して帰ろ!」
「買い食いはダメだぞォ、Aが怒っちまう」
「買い食いじゃないよ!」
寄り道というには、屋敷とは反対方向の道を指差す隼人。仕方ねぇなァ、と言っては隼人の案内する方に歩いて行く。
ちょっとした商店街で、隼人は花屋を指さした。
そこに行けば、隼人は店主と顔馴染みなのか、店主と何か話したあと、一輪の花をもらっていた。
「おい、金はァ?」
「この前、あのおばちゃんのお手伝いしたから、ご褒美にくれるって!」
手伝いしたのか、偉いなと頭を撫でてやる。
再び肩に乗った隼人と屋敷への帰路につけば、ある店が目に入った。
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ちい - 最後まで読めて良かったです!お疲れ様でした。とっても素敵な作品でした! (2020年7月15日 11時) (レス) id: 51ace004ba (このIDを非表示/違反報告)
めんま - 完結おめでとうございます!本当にいい作品に出会えて幸せでした!!! (2020年7月13日 21時) (レス) id: c67fb2a2b3 (このIDを非表示/違反報告)
らはさ - ごめんなさい。↓↓↓間違えて、2つ書きこんでしまいました。 (2020年7月13日 20時) (レス) id: 9c9562d775 (このIDを非表示/違反報告)
らはさ - ベイバの小説からこの小説を発見しました。これも面白かったです。 (2020年7月13日 20時) (レス) id: 9c9562d775 (このIDを非表示/違反報告)
らはさ - ベイバの小説からこの小説を発見しました。これも面白かったです。 (2020年7月13日 20時) (レス) id: 9c9562d775 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:美桜 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ririsa10713/
作成日時:2020年6月11日 20時