ただいま、愛おしい人【不死川実弥】

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「何難しい顔してんだァ」

「…………あ、」



二週間ぶりに会った彼は任務帰りなのか、少し疲れているようにも見える。任務がなかった私は、屋敷の庭で素振りと呼吸の鍛錬を行っていた。


私が難しい顔をしているわけというのは、簡単に言ってしまえば呼吸のある型の威力があまりないことにある。それをどうしたらもっと強い威力に出来るのか悩んでいた。


ここは風柱でもある彼に聞いてみるのが一番だ。そう思ったけれど、任務明けの実弥を動かせるのはどうも気が引けた。



「何もないです」

「そうかィ」

「今日、隼人は蝶屋敷の子たちと薬草を取りに行ってますよ」



隼人に会いに来てくれたのに、申し訳ないです。なんて零せば、彼は少し顔を歪めた。あれ、何か機嫌を損ねるようなことしただろうか。


私のそばに来て、顔を肩に預けてきた実弥に「眠いんですか？」と聞くと違ェと力強く抱きしめられた。



「隼人に会いにきてるのも一つだが、お前ェの顔が見たかったんだァ」

「…………それは嬉しいお言葉を……」



顔を赤くして、腕を彼の背中に回す。

実弥は「俺を癒せ」と言うと密着させていた体を一度離し私を見下ろした。凛とした表情とは違く、どこか照れてる表情。


癒すって具体的にどうすればいいんだろう。

「何かしてほしいことありますか？」と聞いてみるも自分で考えろと言われる始末。こりゃぁ困った。考えた結果私が取った行動は。



「……………じゃあ一緒に寝ましょう！」

「……は？」



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