ただいま、愛おしい人【不死川実弥】

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リクエスト【風柱の噂の恋人】



とある日の非番。

Aと非番が重なり、食材の買い出しに街に出かけたいという彼女に半ば無理やりついてきた。疲れているだろうから隼人と二人でいくと言って俺に休むよう促していたが、そばにいたかった。



「今日、夜ご飯、一緒にどうですか？」

「……あァ」



野菜を片手にそう聞いてくるA。

最近じゃ、非番の日は必ずと言っていいほど、Aの屋敷で飯を頂いている。やはり惚れた女が作った飯は美味ェし、体に染みて疲れも取れる。


何が食べたいか、夜の献立に迷っているAはそう首を傾げる。何でもいいと言えば、それが一番難しいとお叱りを受けた。怒った顔も可愛いと思う俺は最近ますます重症化している。



「じゃあ、唐辛子と七味、どっちがいいですか？」

「殺す気かァ」

「うそうそ。ふふっ、実弥が好きなもの作るよ」



だから、好きなご飯教えて？ーーーそう俺を見つめてくるAに、じっと見つめ返す。そうしていれば、Aが顔を赤くして「み、見つめすぎです、」と目を逸らした。何故だァ。


目ェ合わせろやァと顎を持ち上げる。

顔は俺を向いていても目線を合わせようとしない彼女が「実弥の目が駄目なの！」と大きな声で叫んだ。その声に周りがこちらに注目する。



「私最近気づいたんです。実弥の目に弱いって……。真っ直ぐに見つめてくるんだもん……。直視できない……！」

「何言ってんだ」



ふーん…とAに顔を近づければ馬鹿！と顎を殴られた。



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