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昨夜、冨岡さんのところに泊まりに行きたいと唐突にわがままを言い出した隼人は、半ば無理やり冨岡さんのところへ泊まりに行った。
大変申し訳なく思ったけれど、「俺は嫌われていない」とムフフと笑っていた彼を見てちょっと安心した。
そして、久々の二人きりに昨夜、行為をしていた。まだ体に残る体温や彼が触れていた箇所、思い出すと顔に熱が集まる。二回目と言え、慣れないソレに身体がちょっぴり怠いけど、でも実弥からの愛情で私は満たされていた。
鼻歌混じりに台所で朝ごはんを作る。
こうして、好きな人のためにご飯を作るって楽しい。思わず作りすぎてしまったけれど、仕方ない。後で隼人を迎えに行った際にでも冨岡さんにお裾分けしよう。
「………はよォ」
「………あ、おはよう」
8時過ぎ、起きてきた実弥が台所に入ってくる。とぼとぼとやってきた彼は私の肩から顔を覗かせると「旨そうだなァ」と鍋の中にある煮物を見て言う。
火を止めて、動かしていた手を止めると実弥に後ろから抱きしめられた。「身体大丈夫かィ」と気遣ってくれる彼に、「大丈夫」と伝える。
「少しずつ敬語外してきたなァ、いい子だァ」
「………ふふっ、くすぐったい……っ」
唇を首筋に寄せてくる実弥に笑っていると、突如実弥が耳を甘噛みしてきた。思わず声をあげて「もう!朝だからちゃんと起きてください!」と怒る。
彼はヘイヘイと言いながら台所から出ていくと、入り口の前で振り返り「髪、可愛い」と捨て台詞の如く言葉を吐いて出て行った。珍しく上の方でまとめあげた髪に触れる。
「…………最近甘すぎでは?」
煮物の野菜の味見をしながら、そう思った私は首に残る跡に気づかないまま午前中、実弥と買い物に出て冨岡さんのところへと向かった。
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そちゃ(プロフ) - コメント失礼致します。不死川さんのお話、全て読ませて頂いてます!本当にいつも素敵なお話を書いてくださり、ありがとうございます。リクエストで怖い風柱に彼女がいて周りが驚いてるシーンとか見たいです!無理なさらず、更新頑張ってください!応援しています! (2020年6月7日 7時) (レス) id: 55966089fd (このIDを非表示/違反報告)
菜一郎(プロフ) - はあ…天に召されそうだ。 (2020年6月5日 13時) (レス) id: 2c549b1da3 (このIDを非表示/違反報告)
きりまる(プロフ) - コメント失礼致します!いつも読ませて頂いております!顔のニヤケが止まりません!更新、頑張って下さい!!! (2020年5月30日 17時) (レス) id: a5f16a2551 (このIDを非表示/違反報告)
えへへ - うあー好きすぎる!甘風柱さん最高です!ご都合血鬼術、風柱さんがかかってしまうやつを読んでみたいです!いつも素敵な作品をありがとうございます! (2020年5月29日 21時) (レス) id: 29ed1ff5eb (このIDを非表示/違反報告)
smile0312(プロフ) - 続編おめでとうございます!私も補導されたいです-_-bリクエストで弟くんと不死川さんを取り合うとかその逆とか見たいです^_^! (2020年5月29日 19時) (レス) id: 604129552a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:美桜 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ririsa10713/
作成日時:2020年5月29日 19時