ただいま、愛おしい人【不死川実弥】

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「私と隼人を5年前に助けてくれた恩人です」



そうだと言わんばかりにムフフ顔をする冨岡さん。

実弥は終始驚きつつ、「そうだったのかァ……」とこぼす。ニコリと微笑んで、「冨岡さんには私も隼人も感謝しています」と冨岡さんと話していれば、急に実弥に引っ張られた。



「だからあん時、Aの名前知ってたってわけか」

「…………どうして私がさね……不死川さんと親しいと柱の皆さん知ってるんでしょうか」



前に恋柱様に会った時もそうだったが、私と実弥の関係を知っている柱が多い。冨岡さんに時折文は送っていたものの、実弥のことなんて一切書いたことがなかった。なのに、私と実弥のことをよく知っていたし。



「柱の方達って皆さん仲良しなんですね」

「仲良くねェわ」



しかめっ面の彼に「もしかしてなんだけど、皆さん私と不死川さんのご関係を知ってで？」と思わず聞いてみれば、彼は言いづらそうにしていた。


代弁するように胡蝶様が「柱はみな知ってますよ」と教えてくれる。やっぱり、と納得しては実弥を見やる。



「不死川さんが丸くなったのはAさんのおかげですからね」

「……そんな……私はなにも…」



さっきから冨岡さんを睨みつけている実弥に「どうしてそんなに睨んでるんですか」と聞くと、「嫌いだからに決まってんだろ」と一言。冨岡さんは心外だ！というような顔で彼を見ている。


私も悲しくなってしまう。性格が合わないのかもしれないけれど、私は実弥と冨岡さんに仲良くしてもらいたい。



「…………実弥、お願いだから、私の命の恩人でもある冨岡さんともうちょっと仲良くしてほしい……です」

「………………………」



プルプルと震え出した実弥が「……それだけは無理だ」と大きな間を取って言った。



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