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「風門は本当いいお姉さんだな」
「いや、そんなことは……」
ある日、任務帰りでのこと。
よく任務で一緒になる同期の
あまりいい評判は聞いていない。けど、剣技に置いては優秀だし、力のある人であるのは確かだった。
帰り道で今回の鬼狩りの反省点を話していると、突如彼は隼人の話をし始めた。私が最も彼を胡散臭く思っているわけは、以前隼人に異様に話しかけていたことがあったから。
隼人は超がつくほどの人見知りで人に懐くことがあまりない。だから、当然のようにこの人にも全く懐かなかったわけで。それから暫く私に話しかけることはなかったのだけど、最近またこうして話しかけてくるようになっていた。
「隼人くんは元気?」
「元気ですよ。元気すぎて困っちゃうぐらい」
胡蝶様のお屋敷にお泊まりをしている隼人を思い浮かべては頬を綻ばせる。今なにをして、私を待っているかななんて。
「あの、風門」
「はい?」
「俺、お前のこと好きなんだ。付き合わないか?」
真っ直ぐに見つめられるも、「ごめんなさい」と丁寧に頭を下げた。だけど、彼は私に詰め寄っては「なにも心配することはない!俺がきっと風門を幸せにさせるから!」と言う。
突然すぎることに言葉を発せずにいれば、喪部沢さんが私の肩を掴んで引き寄せる。「いやっ!!」と声を上げて、腕を振り上げれば爪が彼の頬をかすった。
「…………痛ッ、」
「……あっ……ご、ごめんなさ…い……」
「…………調子に乗ってんじゃねぇぞッ」
「きゃっ!!」
いきなり体を押されては後ろの方に思いっきり倒れる。頭を石にぶつけてしまって、痛みに涙が滲み出た。
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そちゃ(プロフ) - コメント失礼致します。不死川さんのお話、全て読ませて頂いてます!本当にいつも素敵なお話を書いてくださり、ありがとうございます。リクエストで怖い風柱に彼女がいて周りが驚いてるシーンとか見たいです!無理なさらず、更新頑張ってください!応援しています! (2020年6月7日 7時) (レス) id: 55966089fd (このIDを非表示/違反報告)
菜一郎(プロフ) - はあ…天に召されそうだ。 (2020年6月5日 13時) (レス) id: 2c549b1da3 (このIDを非表示/違反報告)
きりまる(プロフ) - コメント失礼致します!いつも読ませて頂いております!顔のニヤケが止まりません!更新、頑張って下さい!!! (2020年5月30日 17時) (レス) id: a5f16a2551 (このIDを非表示/違反報告)
えへへ - うあー好きすぎる!甘風柱さん最高です!ご都合血鬼術、風柱さんがかかってしまうやつを読んでみたいです!いつも素敵な作品をありがとうございます! (2020年5月29日 21時) (レス) id: 29ed1ff5eb (このIDを非表示/違反報告)
smile0312(プロフ) - 続編おめでとうございます!私も補導されたいです-_-bリクエストで弟くんと不死川さんを取り合うとかその逆とか見たいです^_^! (2020年5月29日 19時) (レス) id: 604129552a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:美桜 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ririsa10713/
作成日時:2020年5月29日 19時