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「煽るなって言っだだろォが」
「……うん」
私の頬に触れる実弥の手。
厚く鍛えられた手のひらはいつになっても優しい。
「俺がどれだけ我慢してるも思ってんだァ。てめぇが嫌がるようなことだって、してぇって思ってんだぜ」
「実弥がしたいこと……私も、したいって言ったら、叶えてくれるんですか?」
どうしようもなく、彼が愛しい。
実弥の手が私の頬から首筋、そして鎖骨へと伝い触れていく。浴衣の襟に触れる手で、体がぴくりと反応してしまった。
彼は手を止めて、「やっちまえば、お前の知ってる優しい俺じゃいなくなるかもしんねぇ」と言っては私の額に自分のを合わせる。鼻と鼻がくっつきそうかほど近い距離に、目を合わせてふふっと微笑む。
「……そんな実弥も知ってみたい。それに、実弥は私が嫌がること本気でしようとしないでしょ?望むことは叶えてくれるって前に言ってくれたじゃない」
「……ったく、俺もお前も大概だなァ」
「愛しいなァA、」と呟いた実弥は接吻を落とす。「愛しいね、実弥」と微笑み返す。再び接吻をする。
深い接吻はまるでお互いの存在を確かめ合うようだ。何度も繰り返される接吻に、酔いしれる。
「ーーー後悔しても、知らねェぞォ」
すでに十分胸がはだけている実弥は自分の衿に手をかけて、尚更はだけだす。その姿に胸がドキッと揺れた。
「実弥こそ、私が貴方から離れられなくなっても知りませんよ」
「上等だァ」
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そちゃ(プロフ) - コメント失礼致します。不死川さんのお話、全て読ませて頂いてます!本当にいつも素敵なお話を書いてくださり、ありがとうございます。リクエストで怖い風柱に彼女がいて周りが驚いてるシーンとか見たいです!無理なさらず、更新頑張ってください!応援しています! (2020年6月7日 7時) (レス) id: 55966089fd (このIDを非表示/違反報告)
菜一郎(プロフ) - はあ…天に召されそうだ。 (2020年6月5日 13時) (レス) id: 2c549b1da3 (このIDを非表示/違反報告)
きりまる(プロフ) - コメント失礼致します!いつも読ませて頂いております!顔のニヤケが止まりません!更新、頑張って下さい!!! (2020年5月30日 17時) (レス) id: a5f16a2551 (このIDを非表示/違反報告)
えへへ - うあー好きすぎる!甘風柱さん最高です!ご都合血鬼術、風柱さんがかかってしまうやつを読んでみたいです!いつも素敵な作品をありがとうございます! (2020年5月29日 21時) (レス) id: 29ed1ff5eb (このIDを非表示/違反報告)
smile0312(プロフ) - 続編おめでとうございます!私も補導されたいです-_-bリクエストで弟くんと不死川さんを取り合うとかその逆とか見たいです^_^! (2020年5月29日 19時) (レス) id: 604129552a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:美桜 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ririsa10713/
作成日時:2020年5月29日 19時