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事をあまり収集できていない。
私は高校生らしい。着物とは違い、しっかりとした服に身を包み、小学生だという隼人と一緒に家を出た。
「姉ちゃん、昨日なんで俺姉ちゃんの部屋に行ったか覚えてる?」
「………昨日?」
「夜やったこと覚えてないんだよ」
うーん……と考えている隼人について行っていると、急に立ち止まった彼は「姉ちゃん、学校あっちじゃん」と隼人の進行方向とは逆を指差した。
「え?」とキョロキョロと辺りを見る。
道がわからない。私は大正時代、学校に行ってなかったから学校というものもわからない。
「…………姉ちゃん、朝から様子おかしいけど、大丈夫?」
「隼人、お姉ちゃんが今から言うこと信じてくれる?」
「なに?」
膝をついて、彼の頬に手を添える。
そうすれば、彼は顔を歪めた。「私、こことは別の時代のお姉ちゃんなの」と話せば、彼は涙を浮かべた。
「え、待って……」
「信じられないかもしれないけど、」
「ううん、信じる。だって、昔……前世の姉ちゃんはよくそうやって俺の頬っぺたに手添えてたし、……いや、今もそうだけど、……ど、どういう?」
前世?
彼には前世の記憶というものがあるのだろうか。
「…………ごめん、こんなこと聞くの間違ってるだろうけど、現世の姉ちゃんは不死川さんとの記憶が全くなくて……」
「実弥?!実弥もこの時代にいるの?!」
「………やっぱり、姉ちゃんは大正時代の姉ちゃんだ……」
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まやら - す、素晴らしい!泣きました。 (2020年7月13日 21時) (レス) id: 9c9562d775 (このIDを非表示/違反報告)
すずな(プロフ) - 泣きました。素晴らしい作品ありがとうございます! (2020年5月24日 0時) (レス) id: 5706aaffc1 (このIDを非表示/違反報告)
あられ - 初めまして、あられと申しますm(。>__<。)m思わず泣いてしまいました!それくらい切なくて早くヒロインちゃん思い出して〜(;_;)ってなりました。お仕事大変かと思いますが連載楽しみにしております!ご自愛くださいませ。 (2020年4月30日 2時) (レス) id: 467fdee8e1 (このIDを非表示/違反報告)
絵理奈(プロフ) - 1日40時間の残業大変ですね (2020年4月27日 14時) (レス) id: e2382ac4cf (このIDを非表示/違反報告)
smile0312(プロフ) - 新作ありがとうございます!応援しております (2020年4月20日 19時) (レス) id: 604129552a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:美桜 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ririsa10713/
作成日時:2020年4月20日 15時