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夜1時過ぎ。



「………すみません、お待たせしちやって…!」

「なんだァてめぇ、その荷物は」

「あ、実は今日……」



小さなウエストポーチからタッパーを取り出す。

今日、おばあちゃんが家に来ていて、おはぎを作っていてくれたのだ。おばあちゃんのおはぎ昔から好きで、たくさんあったから持ってきた。



「おはぎです」

「は?」

「…………おばあちゃんの手作りで、………先生絶対好きだって………」



直感的にそう思った。

だけど、どうしてそう思ったんだろう。タッパーを開けて先生、食べますか?と差し出せば、彼は「食う」と言って口に運んだ。


もさもさと食べる姿をじっと見つめる。

口の端につけて食べ、好物のそれにありつけたのが嬉しかったのか少し表情が豊かだった。脳裏に一瞬浮かんだ記憶と一致する。



「先生って好物食べてる時幸せそうに食べますよね」

「………俺、お前におはぎが好物だって言ったかァ?」

「………あれ?」



口を閉じて、黙ってタッパーを鞄に片付ける。

不思議そうに眉をひそめる彼に、下を俯きつつ「最近自分でもわからないことがたくさんで……」と呟いた。



「どういうことだァ」

「……べ、別に何もないです。気にしないでください」

「…………」

「任務、開始しましょう先生」



今の世界で鬼舞辻のような鬼の始祖は存在しないようだ。鬼の強さにばらつきはあるものの、十二鬼月のようなヒエラルキーがあるわけでもない。


私が住む街から2〜3つ離れた街に二人で来ると、ある気配に鳥肌が立った。



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まやら - す、素晴らしい!泣きました。 (2020年7月13日 21時) (レス) id: 9c9562d775 (このIDを非表示/違反報告)
すずな(プロフ) - 泣きました。素晴らしい作品ありがとうございます! (2020年5月24日 0時) (レス) id: 5706aaffc1 (このIDを非表示/違反報告)
あられ - 初めまして、あられと申しますm(。>__<。)m思わず泣いてしまいました!それくらい切なくて早くヒロインちゃん思い出して〜(;_;)ってなりました。お仕事大変かと思いますが連載楽しみにしております!ご自愛くださいませ。 (2020年4月30日 2時) (レス) id: 467fdee8e1 (このIDを非表示/違反報告)
絵理奈(プロフ) - 1日40時間の残業大変ですね (2020年4月27日 14時) (レス) id: e2382ac4cf (このIDを非表示/違反報告)
smile0312(プロフ) - 新作ありがとうございます!応援しております (2020年4月20日 19時) (レス) id: 604129552a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:美桜 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ririsa10713/  
作成日時:2020年4月20日 15時

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