焦がれる.【不死川実弥】

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「ありがとうございます。では！」

「おう、足気を付けろよ」

「はい」



足早に教室に向か……わずに、屋上へと向かった。ダメだ我慢しなきゃ。心が痛い。屋上へと出て、柵に手をかける。痛みには耐性があるはずなのに、先生に言われた言葉に心の痛みは我慢出来なかった。



「…………どうしてぇ……っ」



私にもわからなかった。

不死川先生のこと、先生だとしか思っていないのに。先生に言われたことに傷ついて涙が出た。本当は抱きしめられた意味が欲しかったのだろうか。何もわからないのに涙だけが溢れ出してくる。


始業までまだ時間がある。

涙が止まるまで屋上でずっと泣いていた。腫れた目を擦りながら、鞄に手を突っ込む。冷えピタなんてあったかな。いや、今冬だからないか。



「…………はぁ、なんでこんなに不死川先生のこと気になるんだろう」



不死川先生に見つめられると泣きたくなること、そして昨日抱きしめられた時に感じた彼の体温。やっぱり私は前世でも先生と関わりがあったのだと思わされた。


バシッと頬を叩いて、「もっと先生のこと知りたい」と言葉を吐き出して鞄を手に持った。よし、と掛け声を上げて保健室で目を冷やそうと足を一歩踏み出すと、思いっきり激痛が走る。



「………これ私歩かないほうがいいんじゃ……？」




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