45 ページ46
*
「…………オイ、何で俺はまた避けられてんだァ」
「さ、避けてるつもりはなかったんですけども……」
隼人の療養が終わるまで、私は蝶屋敷に泊まらせてもらうことにした。あの日から数日経ち、やってきた不死川さんをあからさまに避けていたことを問い詰められている最中だ。
気持ちを伝えたことに後悔はないけれど、後から遅れてきた恥ずかしさに顔を合わせることが出来なかった。
隼人がお昼寝をしている病室で謎に壁に追いやられている私は恥ずかしさのあまり腕で顔を覆い隠していた。そんな私の腕を退かした彼はフッと意地悪く笑う。
「照れてんのかィ」
「………て、照れてます……」
「可愛いじゃねェか」といきなり背中を向けられた。後ろから見える不死川さんの耳は赤く染まっていて、私までも伝染してしまいそうだ。
隼人の寝顔を見ながら、小さな声で話をする。
内容は簡単だった。先日の告白とこれからの関係性。文字にするとちょっと恥ずかしい。
「…………あの、好きです」
「この前聞いたァ」
もう一度好きですとつい言ってしまう。
すぐになんで言ったんだと赤くなっていると、不死川さんもまた同じような状況だった。なんだかそれが可愛いだなんて思ってしまう私は少し重症だ。
「一度しか言わねェからな」
「はい?」
「ーーー俺と結婚を前提に、付き合ってほしい」
被せられるように病室の扉が開き、「失礼します!」と蝶屋敷の三人娘がやってくる。「あわわわ、ごめんなさい」と同時に言う彼女らに「大丈夫だよ」と笑う。隼人の怪我の状態を見にきたらしい。
みてもらっている中、被せられ私に伝わっていないと思っている不死川さんに「こんな私でいいんですか?」と尋ねた。
「しっかり聞こえてたのかィ」
そう言って笑う彼に、私は微笑んで「大好きです」と伝えた。
.
1066人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
呑子(プロフ) - 2話のひなき様がひなぎ様になってます (2020年6月11日 21時) (レス) id: b937ad49b1 (このIDを非表示/違反報告)
菜一郎(プロフ) - きゃああああ名前で呼んで欲しいってとこ可愛すぎぃぃいいいい (2020年5月29日 17時) (レス) id: 2c549b1da3 (このIDを非表示/違反報告)
鏡花(プロフ) - ぐはっ!告白ぅぅぅ!!尊い!!!死ぬ!!!! (2020年5月25日 23時) (レス) id: c8a359bcaf (このIDを非表示/違反報告)
Ø(プロフ) - こんなに素敵な小説に出会えてよかったです!大変かもしれないですが無理せずがんばってください!応援させていただきます!! (2020年5月21日 0時) (レス) id: 712c3e0bb6 (このIDを非表示/違反報告)
ハチハチ1129(プロフ) - 美桜さんの作品最高です!私も逮捕されたい、補導されたいと思いました(*^ω^*) (2020年5月19日 6時) (レス) id: 12ce184d67 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:美桜 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ririsa10713/
作成日時:2020年5月16日 13時