12 ページ13
*
「特に問題はなさそうですね」
「良かった……」
「Aさんが迅速に毒抜きをしたお陰です」
あの花の毒は手遅れになると、後遺症が残ってしまうから慌てて毒抜きをした。とは言っても、毒を吸い上げるっていう古典的なやり方だけど。ちゃんと処理も出来たし、無事で何よりだ。
「不死川さん、疲労しすぎです。Aさんが頑張って村まで運んだそうですよ」
「…………悪ィ」
「全然、大丈夫です。翌日全身筋肉痛になったぐらいですし……」
ほんのちょっと重かっただけ……、と呟いて腰を叩く。本当はかなり重かった。けど、ほかに人なんていなかったし、気絶していた男の子と倒れた不死川さんを置いて行けなかったから頑張りましたよ。
苦笑いを浮かべながら、不死川さんを見るとバッチリと目が合う。彼の体や顔にある無数の傷を見ては先日の鬼狩りを思い出した。
「なんだァ」
「不死川さんはずっとあの戦法で鬼を倒しているんですか?」
「あら、またですか」と胡蝶様が不死川さんを見、柱の人たちも知っていることなのか察する。不機嫌そうな彼は「てめぇが邪魔さえしなけりゃ俺が片付けてたァ」と舌打ちをした。
「こんくれェ舐めてりゃ治るんだよ」
「あ、せっかく胡蝶様が手当てしたのに、解いてしまったら意味がないでしょ?!」
「うるせェ!!てめぇには関係ねぇだろ!!」
たしかに私には関係ない。
けれど、人が心配して治療してくれたものをそんな簡単に無下にしたことに腹が立った。椅子から立ち上がって、不死川さんに近づくと手を大きく振り上げた。
.
1065人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
呑子(プロフ) - 2話のひなき様がひなぎ様になってます (2020年6月11日 21時) (レス) id: b937ad49b1 (このIDを非表示/違反報告)
菜一郎(プロフ) - きゃああああ名前で呼んで欲しいってとこ可愛すぎぃぃいいいい (2020年5月29日 17時) (レス) id: 2c549b1da3 (このIDを非表示/違反報告)
鏡花(プロフ) - ぐはっ!告白ぅぅぅ!!尊い!!!死ぬ!!!! (2020年5月25日 23時) (レス) id: c8a359bcaf (このIDを非表示/違反報告)
Ø(プロフ) - こんなに素敵な小説に出会えてよかったです!大変かもしれないですが無理せずがんばってください!応援させていただきます!! (2020年5月21日 0時) (レス) id: 712c3e0bb6 (このIDを非表示/違反報告)
ハチハチ1129(プロフ) - 美桜さんの作品最高です!私も逮捕されたい、補導されたいと思いました(*^ω^*) (2020年5月19日 6時) (レス) id: 12ce184d67 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:美桜 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ririsa10713/
作成日時:2020年5月16日 13時