おはよう、愛しい人【不死川実弥】

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「ーーー姉ちゃん起きて！」



ふわふわの布団に体を包み、朝日が目に入ってきた7時すぎ。12歳離れた弟が体を何度も揺さぶっては起こしてくる。薄らと目を開けると、「やっと起きた」と口角を上げて笑った。


体を起こして「おはよう」と微笑めば、弟の隼人も「おはよう！」と元気に挨拶を返す。ご飯出来てるよと布団を片付ける私にそう言った隼人はよく出来た弟だ。昨日、夜遅くに任務から帰ってきた私を思って気を使ってくれたよう。



「ありがとう」



5年前、母と父を鬼に殺された。

当時助けてくれたのが今私も所属する鬼殺隊だった。しばらくの間はまだ小さかった弟と一緒に両親ともに暮らしていた家に、遺産を使い生活していた。


だけど、また襲われないだろうかという不安から、生き残った弟だけは守りたいと私も助けてくれた鬼殺隊の剣士にお願いして育手を紹介してもらった。そして剣士の道を選んだ。


鬼は怖いけれど、それ以上に弟を失うのが怖くて、震える手で何度も鬼を狩っていた。こうして一緒に笑い合える日常が幸せだ。



「カァ！A、明後日カラ風柱トトモニ任務！任務！」



隼人の楽しそうな話に耳を傾けていると、また任務の知らせが入ってくる。まゆを下げて落ち込んでいる隼人に「大丈夫！」と笑顔を向ければ、彼は苦笑いを浮かべた。



「気をつけてね、姉ちゃん」



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