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「ーーーA、」



ただ、名前を呼ばれただけなのに心が見たことないぐらい弾んでしまう。少し照れたように私の名前を呼んでくれた彼はきっと私の人生において欠かせない人になるんじゃないかな。


思わず下を向いてしまえば、「オイ、何か言え」と言われる。うん、言わなきゃ。頬が赤く染まる中、顔を上げて「……嬉しいです」と照れ笑う。



「……もう一回呼んで」

「……A、」



何度も呼んでもらいたいぐらい、心地よい。

隼人の口を塞いでいた手を退ければ、「廁行ってくる」と私の腕の中から逃げていった。


その後ろ姿を一緒に見続けて、お互いに向き合うと、あはは……と笑った。多分、廁というのは嘘だ。


あまり二人きりになれないのをわかっているからこそ、隼人なりに考えた方法なんだろう。



「で、どうだったよ。名前で呼んでもらった感想はよ」

「……うん、なんだか照れちゃいますね」



照れてしまうけれど、名前で呼んで貰うことが定着したらいいなぁなんて。恥ずかしいから言わない。フフッと笑っていれば、不死川さんの手が後頭部に回され、引き寄せられた。


恋仲になって、何度目かの接吻。

未だに慣れないけれど、触れるだけの優しい接吻は恋愛に不慣れだった私には丁度いい。目を開けると、愛しそうに私を見る不死川さんの視線が交差する。


あぁ、この瞳が好きだ。嘘のない、綺麗な瞳。
名残惜しく離れた唇に、息を小さく吸って。



「ーーー実弥」



彼の名前を呼べば、私以上に顔を赤くして「……威力がやべェ」と口元を手で覆っていた。



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設定タグ:鬼滅の刃 , 不死川実弥 , 風柱   
作品ジャンル:アニメ
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呑子(プロフ) - 2話のひなき様がひなぎ様になってます (2020年6月11日 21時) (レス) id: b937ad49b1 (このIDを非表示/違反報告)
菜一郎(プロフ) - きゃああああ名前で呼んで欲しいってとこ可愛すぎぃぃいいいい (2020年5月29日 17時) (レス) id: 2c549b1da3 (このIDを非表示/違反報告)
鏡花(プロフ) - ぐはっ!告白ぅぅぅ!!尊い!!!死ぬ!!!! (2020年5月25日 23時) (レス) id: c8a359bcaf (このIDを非表示/違反報告)
Ø(プロフ) - こんなに素敵な小説に出会えてよかったです!大変かもしれないですが無理せずがんばってください!応援させていただきます!! (2020年5月21日 0時) (レス) id: 712c3e0bb6 (このIDを非表示/違反報告)
ハチハチ1129(プロフ) - 美桜さんの作品最高です!私も逮捕されたい、補導されたいと思いました(*^ω^*) (2020年5月19日 6時) (レス) id: 12ce184d67 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:美桜 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ririsa10713/  
作成日時:2020年5月16日 13時

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