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鬼の首を捕り、後ろを振り向く。
目をかっ開いている不死川さんに近づいて、まだ止血されていない腕に触れた。渡した布切れを返してもらい、その腕を思いっきり縛って止血する。
「てめぇ、柱に対して何しやがる」
「柱とか上司とか関係ありません」
「ハァ?!」
どうしよう、手が震えてうまく縛れない。
不死川さんに怒号に、キッと彼を睨むと私がそんな反応すると思わなかったのか少し驚いているように見える。
柱との任務が初めてだからか、正直こんな戦い方をするなんて驚いた。不死川さんは邪魔されたことがそんなに嫌だったのか殺気すら感じる。
「私、怒ってます」
「そりゃこっちの台詞だァ」
「いつも自分を傷つけて、お捕りにして鬼狩りをしているんですか?」
てめぇに関係ねェ。ときっぱりと言われた。そりゃあ私には関係ないかもしれない。けれど、そんな闘い方をしていれば、いつか自分を苦しめることになりかねない。
最後にまたギュッと布を固く結んでから、下から彼を見上げる。「あなたが傷つくことで悲しむ人がいるんじゃないんですか?」と言うと立ち上がって背中を向けた。
男の子のそばに駆け寄って、「大丈夫?」と体を起こす。気絶しているけれど、特に怪我はなくホッとする。抱きかかえてあげ、不死川さんに近づくと「帰りましょ」と手を差し伸べた。
「痛ッ、」
「え?」
「は?」
不死川さんはなんだこりゃァと自分の手のひらを見た。男の子を抱えたまま私も覗き込めば、彼の手には毒花のトゲが刺さっていた。
「あ、それ毒を持つ花のトゲ……って、自分の手で抜いたらダメですよ!!ぎゃー!!」
自分の手でそれを抜いた不死川さんは結局片方の手までトゲが刺さり、数秒後、痺れが周り動けなくなった。
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呑子(プロフ) - 2話のひなき様がひなぎ様になってます (2020年6月11日 21時) (レス) id: b937ad49b1 (このIDを非表示/違反報告)
菜一郎(プロフ) - きゃああああ名前で呼んで欲しいってとこ可愛すぎぃぃいいいい (2020年5月29日 17時) (レス) id: 2c549b1da3 (このIDを非表示/違反報告)
鏡花(プロフ) - ぐはっ!告白ぅぅぅ!!尊い!!!死ぬ!!!! (2020年5月25日 23時) (レス) id: c8a359bcaf (このIDを非表示/違反報告)
Ø(プロフ) - こんなに素敵な小説に出会えてよかったです!大変かもしれないですが無理せずがんばってください!応援させていただきます!! (2020年5月21日 0時) (レス) id: 712c3e0bb6 (このIDを非表示/違反報告)
ハチハチ1129(プロフ) - 美桜さんの作品最高です!私も逮捕されたい、補導されたいと思いました(*^ω^*) (2020年5月19日 6時) (レス) id: 12ce184d67 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:美桜 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ririsa10713/
作成日時:2020年5月16日 13時