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次の日、学校に珍しく早く着いた。
「あら、"風見"さん」
「…………おはようございます」
担任の女の先生にペコリと頭を下げる。
メガネを上げて「珍しいのね」という彼女を無視して、隣を通り過ぎれば腕を掴まれた。昨日の痣が痛いってのに、何すんだよと痛みに耐えながら睨むように先生を見る。
「貴方みたいな不良で何もなくても、勉強だけは取り柄ですもんね」
「先生、勉強しなくても頭のいい私に嫉妬ですか?いい大人が可哀想に」
「………なっ!」
腕を払って無視して教室に向かう。
ガラガラと音を立てて開いた教室の扉。中に入れば、「珍しい」との無数の声。遅刻常習犯ですから私。自分の席に向かい、教科書やら筆箱を取り出していると、とある女の子が「風見さん、数学教えてほしい」とやってきた。
周りを伺えば「なんで風見さんに」というような目で見られていた。「私でいいの?」と間を取って聞けば、小さく頷いた彼女に「……いいよ」と呟く。
公式の使い方をわかりやすく教えれば、彼女はすぐに解けるようになる。「すごいね」という彼女に少し照れてしまう。なぜかわからないけれど、数学は昔から成績が良かった。
「風見さんって笑うと可愛いよね」
「そんなことないよ。全然可愛くないし」
「ううん、そんなこと……!」
私よりも貴方の方がよほど可愛い。
男子にも人気あるもんね。確か名前、あぁ名字わかんないけど、「恋雪ちゃんだっけ」と呟くと、嬉しそうに笑みを作った。
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*恋雪ちゃんは風見ちゃんと同じ高校設定です*
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さく - 大好きです!!中学のとき出会ってから辛い時や気持ちが落ち込んだときに読み返しては泣いてしまいます…!本当に素敵な作品をありがとうございます!!また元気でました! (1時間前) (レス) id: 62bb256cd4 (このIDを非表示/違反報告)
カオリ - 素敵すぎました!!涙なしでは読めない、素敵な作品に出会えました。 (2023年4月29日 4時) (レス) @page50 id: 836efc3cce (このIDを非表示/違反報告)
楚依 - この神作を書いて頂いてありがとうございました!!!本当に何周も読んで、何周もキュンキュンしたり感動したり、本当に今まで読んできた作品の中で一番です!夢主ちゃんと実弥さんの絡み大好き過ぎます…改めて、こんな素敵な素敵な作品、ありがとうございました!! (2022年12月23日 23時) (レス) @page50 id: 2128c14dbd (このIDを非表示/違反報告)
楚依 - 本当に最高でした。何周したのか…師範大好きです。 (2022年12月23日 23時) (レス) @page50 id: 2128c14dbd (このIDを非表示/違反報告)
むちょ - 尊み(´ω`) ハッピーエンドで心温まりました。 (2022年12月5日 19時) (レス) @page50 id: afeec74a39 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:美桜 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ririsa10713/
作成日時:2020年3月7日 13時