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「私、高校やめようと思います」
「ーーーは?」
「だから、やめます。主婦になる」
「馬鹿かかてめぇは」
いや、なんで。
だって、親に捨てられたも同然の今、学校に通うなんて難しい話。そんなの絶対に実弥さんに迷惑かかるだけじゃん。再会して迷惑かけるなんてすごい嫌じゃん。
それに、何も出来なく、私がいないと死んでしまう彼のことだ(前世の話です)。家のことをやってあげれば役に立てる。…………とはいえ、この家すごい綺麗。
「何も考えんなァ。高校も今まで通り行け。そんで大学も行け」
「私、前世では割とお金貯めてましたけど、今は荒れてたんで貯金だってそんなにないです。お金ないです。貧乏です」
「俺が行かせてやるって話だァ」
目を点にする。
だって、彼、私と5つしか違うから、正しければ今21歳だよね??「そんな21歳でお金たくさんあるんですか?」と失礼極まりない発言をすれば、彼は「………26だ」と小さく言った。
いやいやいや、前世で死んだ人間が今世では生き続けていることはよくあるけれど、年齢違うってあるの?え、26歳ってなんなんですか?でもそうか、じゃないと21歳で教師は無理か。
「……………軽く犯罪ですね」
「同意の上だ、問題ねぇ」
先に布団の中に潜る実弥さんをじっと凝視していれば、彼は布団を少し上げて「来いよ」と言った。流石にシングルベッドで居候させてもらうんだから、一緒の布団は……。ソファーで寝ます、と呟けば「来いつってんだろォが!」と怒鳴られた。
遠慮したのになんで私は怒られているんだろう。単純な疑問を持っていると、一度布団から出た実弥さんに引っ張られベッドに連行された。
「狭くないんですか?」
「くっついて寝れば狭くねぇだろ。もう寝ろ」
「(……寝れない、)」
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カオリ - 素敵すぎました!!涙なしでは読めない、素敵な作品に出会えました。 (2023年4月29日 4時) (レス) @page50 id: 836efc3cce (このIDを非表示/違反報告)
楚依 - この神作を書いて頂いてありがとうございました!!!本当に何周も読んで、何周もキュンキュンしたり感動したり、本当に今まで読んできた作品の中で一番です!夢主ちゃんと実弥さんの絡み大好き過ぎます…改めて、こんな素敵な素敵な作品、ありがとうございました!! (2022年12月23日 23時) (レス) @page50 id: 2128c14dbd (このIDを非表示/違反報告)
楚依 - 本当に最高でした。何周したのか…師範大好きです。 (2022年12月23日 23時) (レス) @page50 id: 2128c14dbd (このIDを非表示/違反報告)
むちょ - 尊み(´ω`) ハッピーエンドで心温まりました。 (2022年12月5日 19時) (レス) @page50 id: afeec74a39 (このIDを非表示/違反報告)
ドク(プロフ) - お゛っあ゛…神様…尊みでひとりの人間が供給過多で死にました神作品マジでありがとうございます幸せっす本当ありがとうございますっ!!! (2022年5月29日 16時) (レス) @page47 id: f0778d3186 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:美桜 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ririsa10713/
作成日時:2020年3月7日 13時