俺の継子が可愛い件について【不死川実弥】

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「それはハードル高いので当分の間無理ですね」

「あ"？」



何が当分の間無理だ。

Aの頬を引っ張りながら、理由を問えば「自分で考えてください」とのこと。引っ張るのをやめずにいれば、ヒェ〜と情けない声を出し始めた。



手を離し、軽く頬を叩く。

別に無理にとは言わねぇが、少なくとも名前で呼んでもらいてぇ。それだけは変わらない。軽く叩いた頬に手を滑らせれば、わかりやすく顔を赤くしたAに、ニタリと口角をあげた。



「俺はいつでもてめぇのこと名前で呼べるけどなァ」

「そりゃー継子だったんだから、名前以外どう呼ぶんですか」

「あ？」



コイツナメてんのか。

そういうことを言ってんじゃねぇ。俺はただお前に名前で呼んでもらいてぇだけだ。それを口にしてしまえばきっとAは調子に乗る。だから敢えて言わずに、わからせる。けど、コイツは超のつく馬鹿だから伝わらない。


まあだが、と内心こぼし、「恋人の名前すら呼べねぇお前はその程度なのかァ？」と背を向ける。そして帰路に再びつく。足音が聞こえてこない。言いすぎたか？そう思いつつも後ろを向けずに頭を掻いていれば、突然背中にAが突進してきた。



「ーーー"_______"、好きです」

「！」

「これで満足ですか」



俺の背に乗っかるAに、「おう」と零して、Aを負ぶったまま歩みを進めた。うわああ！！とうるさいAに、笑いをこぼしつつ、恥ずかしさに嘆くAを背中に感じていた。




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『ーーー実弥さん、好きです』



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