俺の継子が可愛い件について【不死川実弥】

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気持ちを伝える前にすら、私とどうこうなろうという気はないって言っていた彼だ。欲がないのかなって思ってしまうし、16歳の思春期真っ只中にいる私からしたら、もっと欲張りになってもいいと思う。


私だって割と積極的だと思う。

師範と温泉旅に行った時は混浴にだって一緒に入ろうと誘ったし、直視できないとかいう師範に対して「見ろよ」と言ったし。



「これは私から誘うべきでしょうか？」



真剣な顔つきになる私を見て、また雛鶴さんは驚いていた。「Aちゃんそういうの知らなそう」と。いや、まあ、本当はつい最近知ったというか…。


宇髄さんにいかがわしい本を見せられたことにより。これ言ったら夫婦喧嘩起こしそうだから内緒にしておこう。

それと師範に宇髄さんが殺されてしまう。



「Aちゃんは本当に風柱さんのことが好きなのね」
「………へ？」

「彼のために顔を赤くしたり、一生懸命に悩んでいる姿見るとそう思うわ」

「そ、そりゃぁ………だ、大好き、ですけど……」



言葉がどんどんか細くなる。

改めて「好き」という気持ちを口にすると、恥ずかしくなってしまう。初めてこの気持ちが師範に対して信頼以上の好意だと気づいたときよりも、もっと今は師範、いいや実弥さんのことを好きでいる。


顔を赤くして黙り込む私の頭をそっと撫でて、「Aちゃんと風柱さんなりに少しずつ距離を縮めていきなさい」と助言してくれた。



「わかりました」

「ふふっ………そうだ、今日ご飯食べていく？」

「いえ、すぐに帰って師範と話してきます。善は急げです！！師範の理性を打ち壊してきます！！」

「(この子大丈夫かしら)」



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