俺の継子が可愛い件について【不死川実弥】

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「ご飯美味しかったですねぇ」

「あァ、そうだなァ」



ふふふっと笑みをこぼして二枚敷かれた布団の上にボフッと顔を埋める。温泉巡りだけで普段の疲れが吹っ飛んだ。鬼との戦闘で傷ついた身体にはしっかりと温泉の効能が効いた。


ゆっくりと息をして、のんびりしていると実弥さんが「オイ」と呼ぶ。「私は"オイ"じゃありませーん」と言って無視していると、「A、」と名前で呼ばれて笑顔で振り返る。



「露天風呂、入るんだろォ」

「え！」



勢いよく飛び起きて、「はい！」と実弥さんに近づく。やったやった。これぞ私が求めていた浪漫だ。先に入ってろと言われて、喜んで脱衣所に入っていく。


脱衣所にタオル類を置き、脱衣所の扉をもう一度開けて実弥さんに「私の我儘聞いてくれてありがと」とお礼を言った。


湯船に首まで浸かっていると、実弥さんが入ってくる。腰にタオルを巻きやってきた彼に「いい身体してますねぇ」というと、顔にお湯をかけられる。褒めたつもりなのに。


何故か距離を開ける彼に、近づいて隣に行く。

肩をピッタリとつけて「気持ちいいですね」と月を眺める。実弥さんが漸く私を見て、すぐに顔を逸らした。



「なんで顔逸らすんですか？！」

「直視できねぇだろ！」

「これでも恋仲なんだから堂々と見ればいいじゃないですか！」



「見られるかクソがァ！」と言われ、苛ついた私はその場を立ち上がる。タオルを巻いているのだから見ても全然大丈夫なのに。無性に苛ついてしまい、「見てくださいよ！！！」と大声を出せば「てめぇは恥という言葉知らねぇのか！」と怒られた。



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