俺の継子が可愛い件について【不死川実弥】

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飛んだ茶番を繰り広げる私と師範。
そんな中でもまだ私の胸ぐらを離してくれない。



「嫌だろォが、継子に手を出した柱だと思われちまったらよォ。信用がなくなっちまう」

「それは……ーーー本当のことだから仕方ないですよ」

「………」



何を今更。

先に接吻をしてきたのは師範。私も彼のこと好いていたとは言え、先に仕掛けてきたのは師範。うむ。継子に手を出したぐらいで貴方の信用はなくならないでしょ。


そもそも信用がなくなるようなことをしていない。柱だって好きな人の一人や二人できて当然だ。あ、二人はダメだ。




「そういう訳には」

「ーーー実弥さん、貴方は柱である前に一人の男です。こんな世の中で好いた人が出来たぐらいで貴方の信用はなくなりません。むしろ強情で強面の風柱に恋人が出来て更に好感度が上がっていくのではと私は思います」

「………………」




黙り込んでしまった師範に私はえへっと笑って「継子に手を出した柱が今は師範一人でも、昔はたくさんいたかもしれないじゃないですかー」と傷のついた頬に手を添える。


大丈夫大丈夫！と、つま先立ちになって師範の頭をポンポンも軽く叩く。師範の言い分もわかるけれど、もっと気軽に考えて欲しい。そんなことを思う人が鬼殺隊にいるっていうんなら、その人はきっと愛情とか親愛を知らないひとだ。


不死川実弥さん、貴方だって恋をして人を愛して良いんですよ。


ギュッと抱き寄せられ、師範の胸の中に収まる。抱きしめられるのは未だに慣れない。赤面する私を他所に、師範の力が強くなる。



「てめぇには敵わねぇなァ……」

「師範は私のこと大好きですもんね」

「…………あァ」



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