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*
「……………」
「………寝たか、」
胡蝶の屋敷から、自分の屋敷に戻る道中、背中のAが眠りについた。ゆっくりと道を歩きながら、Aがさっき話していた言葉を脳内で繰り返した。
「(勘付き始めた……？)」
俺は生死を彷徨ったことがねぇからわからねぇが、生死を彷徨うと死んだ人間に会うとよく言うもんだ。
「有り得ない話かもしれないんですけど、私のお兄ちゃん生きてるんじゃ…」そう口にしたAの表情は前を向いていた俺にはわからねぇ。もしも、それが確信に変わったとき、Aはきっと俺の言うことなんざ耳を貸さずに自分の兄を探しに行くだろう。
Aがどういう性格をしているかはわかっているつもりだ。4年もの間面倒を見てきているのだから。無茶をして、自分を追い込むに違いねェ。
「……………お兄ちゃん」
「………………」
寝言を言うAを背負い直し、足を進める。
さあこれからどうしたらいいものだろうか。少なからず、いつかはAの兄貴の生存がわかるはずだ。生きているか、死んでいるか。
漸く見えてきた自分の屋敷。
門を潜り抜ければ、うっすらとAが目を開ける。「あ、着いたんですか」と朧げな声で呟いて目を擦っていた。
「……………目ェ覚めたなら降りろォ」
「いやです」
俺の首に回している腕をギュッとさらに力を強めて、「師範の背中暖かい」と呟いた。その言葉に、フッと笑い、玄関の戸をあけて中に入る。
「んぎゃ！」
「…………あァ、肩凝ったわァ」
「病み上がりの人間背中から落とすこと普通あります？！！」
ギャーギャーといつものように喚き始めたAに、「おかえりィ」と言ってやる。キョトンとしたソイツはにへら、と笑った。
「誤魔化さないでください！！」
「おーおー」
「ムギギー！！！」
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ラズベリー - 面白いです! (2021年2月4日 6時) (
レス) id: 87d010c47c (このIDを非表示/違反報告)
わかめ(プロフ) - 最後が、「ええ、そつですよ」になってる、、、？ (2020年7月25日 12時) (レス) id: 1d4ed2cded (このIDを非表示/違反報告)
0tt430v325326h(プロフ) - いつも見させて貰っています。質問ですが、過去はどうやって書いているんですか？私も作品を書き始めていますが全く分からない事だらけで… 普通の文字より少し薄いですよね？読んでてとっても分かりやすいんで、私も書きたいと思っていまして、どうか教えて下さい！ (2020年5月22日 18時) (レス) id: a0727f11af (このIDを非表示/違反報告)
shinon※*(プロフ) - 何回も書きますがめちゃくちゃおもしろいです(*´ω｀*)美桜さんの文章力羨ましいです！更新楽しみにしてます(＞人＜;) (2020年1月11日 18時) (レス) id: d985354645 (このIDを非表示/違反報告)
お肉 - リクエスト叶えてくれてありがとうございます！！これからも頑張ってください！ (2020年1月11日 17時) (レス) id: 74901ad7b8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：美桜
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ririsa10713/
作成日時：2019年12月25日 18時
