検索窓
今日:18 hit、昨日:75 hit、合計:1,117,369 hit

201 ページ7

*



「おかげさまで元気に回復しました!ありがとうございました、胡蝶様!」



ギュッと抱きついてお礼を言えば、胡蝶様は「あらあら」と少し照れたように笑う。重症だったため、二週間ここで療養していた。


師範の貧血は2日で全快し、普通に任務にも出かけて行った。そして任務帰りや非番の日は必ず私が寂しい思いをしないように蝶屋敷に足を運んでくれていた。
今日だってそうだ。


わざわざ迎えに来てくれなくても一人で歩いて帰れる。なのに、彼は来てくれた。しかも、しかもですよ。背負ってくれてるんです、私を!



「師範〜、重くないですか〜」

「重ィ」

「そこは『軽いぜベイベェ』って言うんですよ!!!!」

「誰が言うかクソがァ」



師範の背中の上で暴れていれば、彼は呆れたようにため息をつき、「これが三途の川渡った奴の元気かよ」と呟いた。三途の川……。川は渡ってないけど、家族には会いました。



「…………師範、私生死を彷徨ってる時、家族に会いました」

「……走馬灯か」

「恐らくは。天国にはお母さんもお父さんもいて、弟二人も妹もいたんです。だけど、お兄ちゃんだけ姿が見えませんでした」

「………!!」



ーーーえ?今師範型が大きく跳ねた…?

「そ、そうかィ」と言う彼に、私は続けていった。お兄ちゃんはどうしていないのか、そう母に尋ねたとき母が涙を流しながら言った言葉を。



「"お兄ちゃんを助けてあげて"って……あれば一体どう言う意味なんでしょうか」

「…………」



そっと師範の背中に頬をくっつける。

母の言った言葉とあの場にいなかった兄の意味がよくわからない。あのとき、鬼に襲われた時お兄ちゃんは死んだ筈だ。……私を庇って。考えこむ私を他所に、師範がどんな表情をしていたのか私には知る由もない。


.

202→←200



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (753 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
2954人がお気に入り
設定タグ:鬼滅の刃 , 不死川実弥 , 風柱   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ラズベリー - 面白いです! (2021年2月4日 6時) (レス) id: 87d010c47c (このIDを非表示/違反報告)
わかめ(プロフ) - 最後が、「ええ、そつですよ」になってる、、、? (2020年7月25日 12時) (レス) id: 1d4ed2cded (このIDを非表示/違反報告)
0tt430v325326h(プロフ) - いつも見させて貰っています。質問ですが、過去はどうやって書いているんですか?私も作品を書き始めていますが全く分からない事だらけで… 普通の文字より少し薄いですよね?読んでてとっても分かりやすいんで、私も書きたいと思っていまして、どうか教えて下さい! (2020年5月22日 18時) (レス) id: a0727f11af (このIDを非表示/違反報告)
shinon※*(プロフ) - 何回も書きますがめちゃくちゃおもしろいです(*´ω`*)美桜さんの文章力羨ましいです!更新楽しみにしてます(>人<;) (2020年1月11日 18時) (レス) id: d985354645 (このIDを非表示/違反報告)
お肉 - リクエスト叶えてくれてありがとうございます!!これからも頑張ってください! (2020年1月11日 17時) (レス) id: 74901ad7b8 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:美桜 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ririsa10713/  
作成日時:2019年12月25日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。