俺の継子が阿呆な件について【不死川実弥】

197 ページ3

*



「…………！」



ハッと目を覚ます。

体が重い。というか、すごく痛い。体中痛すぎる。
天井が見える。ということはここは誰かのお屋敷？あ、隣ベッドがもう一つあるから蝶屋敷かぁ。なんだ私生きてたのか。


てっきり走馬灯見てたから私死んだと思ってた。良かった、生きてた。目を動かして、反対隣を見やる。そこには師範が椅子に座ったまま寝ていた。あれ、なんでいるんですか。



「…………あのー、師範」

「……………」

「し、は、んー」



なかなか起きない師範に、ツンツンと指で膝を突く。すると漸く目を覚ましてくれた。ニヘッと笑うと、師範は目を見開いた。今にも泣きそうな顔をした後、すぐに胡蝶様を呼びに行った。


私は3日寝ていたらしい。出血多量で重症だったようだ。全集中でも出血を止められなかったのだからまあそうなるよね。



「あの、師範は？」

「あぁ、私呼びに来た時に倒れかけたので別室で点滴打ってますよ」

「え？！なんで？！！」



驚いて身を乗り出そうとし、立ちくらみがした。出血多量だったから貧血気味らしい私は、胡蝶様に支えられまたベッドに横になる。


あの師範が倒れかけるなんて珍しい。貧血ですか？なんて今考えるほど私の頭はよく回っていなかった。



「不死川さん、Aさんが重症と聞いて顔色を変えてここに来たんです。Aさん、本当は助からないと私思ってました。あなたの血は少し特殊ですし、同じ血液型の人もおらず輸血が厳しい状態だったんです」

「…………それは私が稀血、だからですか？」

「稀血なのもありますがそれ以上に少し特殊なようです」



.

198→←196

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す