俺の継子が喧しい件について【不死川実弥】

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リクエスト【らっきーすけべ】



ある日、私宛に届いた小包。差出人は九州のおばさんからだった。文も一緒に入っていて、そして何故かあの雪夜さんからも文が来ている。何あの人まだ諦めきれてないの。



「………ふむふむ」



先に雪夜さんからの文を読んでみれば、「気が変わったらすぐに結婚してくれ」との一言で、丸めてゴミ箱へと投げ入れた。ごめん、タイプじゃない。


おばさんからの文は、この前のお礼とそして師範とはどうなの？という冷やかし混じりの近況が書いてある。あ、そういえば師範と恋仲設定にしてきたんだった。忘れてた。



【一緒に来ていた男の子が着ていた羽織、Aちゃんはそういうの持ってないのかと勝手に解釈しました。貴方の家族の遺品は全て私が引き取っていて、その中で貴方のお母さんのお気に入りの着物で作ったのでよかったら着てちょうだい】



たしかに私は他の剣士と違って羽織を着ていない。
気にいる羽織がなかったからだ。家族が死ぬ前に来ていた着物はあの日に血塗れになってもう身につけられないし。


包みを開けると、よくお母さんが来ていた着物の柄の羽織が顔を出す。それを手にとって、顔を埋める。まだ微かにしている母の香り。その懐かしい匂いに、あの日を思い出してしまう。



「………………、」



ハラリ、とこぼれた涙が母の着物を濡らしてしまう。それに腕を通して、立ち上がる。鏡の前に立ち、確認すればどことなく母の面影を見てしまった。



「ダメだなぁ。吹っ切れたと思ってもまだまだあの時の恐怖残ってるや……」



手が震えつつ、でも可愛いとその羽織を気に入ってしまう。んー、と腕を組んでこの羽織ならズボンよりもスカートの方が可愛いんじゃないだろうか、と珍しく箪笥の中からスカートを取り出した。



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