俺の継子が喧しい件について【不死川実弥】

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このご時世、女が刀を握るなんて有り得ない。

そんな時代だ。女は大人しく、殿方の元に嫁ぎに行くのが基本。それが普通の彼らにとって、刀を持ち何の職業なのかわならない服をきた私は異端に思われるかもしれない。



「女性が刀を持つなんて有り得ません」

「(やっぱり……)」



雪夜さんの言葉は思っていた通りだった。

彼のお母様だって、私を見てはひどく顔を歪めて「だから風花さんはAさんを結婚させたいのね」とボソリと呟いた。


ジッと立ったまま彼らを見つめる私に、雪夜さんは近づいて「君みたいな綺麗な女性に刀は似合いませんよ」と私の日輪刀を奪おうとする。


その手を払いのけると、「荒々しい女だな！」とまるで正体を表したかのように表情が一変した。荒々しくてごめんなさいね。これが私だから。



「馬鹿にしないでもらえる？似合う似合わないで私は鬼殺隊の剣士をしているわけじゃない」

「……！」

「これ以上奪われないために、幸せを壊させないために私は刀を振るっている。もう自分のような犠牲者を生まないために」

「な、」

「一つ言わせてもらいます。今の私を見て、お見合いの件はないと悟ったことでしょう。それでいいです。私、貴方みたいな人一生愛せませんので」



血のつながりもない、ただ任務で助けただけの他人の子供をここまで立派に育ててくれた彼の方が断然好きになれる。私は一生師範と一緒にいますから。



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