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「俺は不死川だ」
ーーー『不死川実弥』
そう書かれた紙の上の字に、"しなずがわじつや"?と首を傾げた。寺小屋に通っていたわけじゃないから字なんてまだまだで、自分の名前を書くだけで精一杯だった。
「風花Aでっす」
「Aか、いい名前だなァ」
「ふふふっ」
よしよし、と頭を撫でる不死川さん。
きっと私のように小さい子の面倒を見ることに慣れているんだろう。彼はいろんなことを教えてくれた。家族以外に友達のいなかった私に、蝶屋敷にいる女の子を紹介してくれたり、彼の仕事仲間だという人たちも紹介してくれた。
不死川さんのお屋敷に暮らすようになり、3日が経った日、彼に「まだ一度も泣いてねぇだろォ。ガキはガキらしく泣いてろ」と言われ大泣きした。
一ヶ月を過ぎた頃には、遠い親戚のおばさんが私を訪ねてやってきて、連れて帰ろうとしていたのを不死川さんが引き止めた。あの時の姿、まさにかっこよかったですよ。
「…………あの、」
「なんだァ」
「おばさんに、言ってた特殊な血?ってどういうことなんですか?」
「……………、いやてめぇは知らなくていい」
どことなくそのことを濁されたけれど、彼は私を真っ直ぐに見つめて、「黙って守られてろ」とやっぱり私の頭を撫でてくれていた。
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めい(元れん☆)(プロフ) - はじめまして!ここまで一気に読ませていただきました!とても幸せな気持ちです本当にありがとうございます!私もこのようにすてきな作品を残せるよう頑張ります、これからも応援しています! (2020年10月27日 0時) (レス) id: fb108a381a (このIDを非表示/違反報告)
koyuzuki0627(プロフ) - 夢主ちゃんも不死川さんも可愛いですね〜読みながらしWWWなずWWWWWWがわWWWさんっWWWWWWってなることが多かったです私は恋愛オチが良いです (2020年2月3日 1時) (レス) id: a9af658367 (このIDを非表示/違反報告)
ハミイ(プロフ) - 師弟オチもいいですが、私は恋愛オチの方がいいです!! この小説とても面白いので、いつも更新楽しみにしています!!応援しています!! (2019年12月25日 0時) (レス) id: 8cc530c36f (このIDを非表示/違反報告)
い ち ご ミ ル ク(プロフ) - 師弟もいいですが、やはり恋愛オチの方が私は好きです。これからも頑張ってください! (2019年12月25日 0時) (レス) id: 49aff0a89f (このIDを非表示/違反報告)
あり - いつも楽しみに読ませて貰ってます!師弟オチでお願いします! (2019年12月25日 0時) (レス) id: 5ec8350380 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:美桜 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ririsa10713/
作成日時:2019年12月8日 18時