126 ページ29
*
「自分の名前はわかるかァ?」
「風花A!5歳!お兄ちゃんは?」
「俺ァ、不死川実弥だァ」
「しなずがわさねみん!」
「実弥だ」
「さねみ、ん!」
指を4本出しているコイツは小さい頃からすでに馬鹿だったらしい。
まあ良い。コイツが元に戻るまでの間、俺が面倒を見るしかねぇ。半ば無視するように胡蝶の屋敷から連れて帰ってきた。
鬼を倒した後に血鬼術を喰らうなんざ、Aの奴油断しやがったな。戻ったら説教してやらァ。
今はいつ元に戻るかもわからねぇAを相手に、どうしてやろうか考える。胡蝶の話から、精神年齢も5歳児になっているようだし、その年ならまだコイツの家族が生きていた頃合いだ。
Aと会ったのは、まだコイツが12の時だったから小さい頃なんて俺は知らなく、ある意味新鮮な姿に、どことなく昔の自分の兄妹を思い出す。
「ねぇねぇ、お兄ちゃんどこぉ?」
「…………」
兄貴好きだったのは知っていたが、今のコイツにどう説明する?そもそもコイツの兄貴、遺体が消えていて生きている可能性だってあるのに。いや、そんなことは今はどうでもいい。
「お前の家族は今遠くにいる。少しの間だが、俺と一緒にここで暮らす、いいなァ?」
「…………うーん」
頭を掻いているちっこいAに、「なんだ不満か」と見れば、「お兄ちゃん、顔怖い」と呟いた。そして俺に手を伸ばしたAは、頬に触れてそのまま引っ張る。
「笑った方がお兄ちゃんカッコいい」
「……………そうかァ」
「ほら!それ!だよ!」
きゃっきゃっと喜ぶAの頭を撫で回し、「飯、なにが食いてぇか」と聞くと、「お団子!」と言った。それは飯じゃねぇ。
.
2462人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
紅梨 - なんか不死川さんの優しさがにじみ出てました!あと、不死川さんの継子を想像したりして読みました。すごく微笑ましい話ですよねーww (2020年3月15日 19時) (レス) id: e55b1dd1f6 (このIDを非表示/違反報告)
白夜(プロフ) - 美桜さん» 態々御返事していただきありがとうございます!採用していただき感謝感激です!!これからも更新無理しない程度に頑張ってください。応援してます。お身体にはお気をつけて! (2019年12月16日 4時) (レス) id: 6250b56f0b (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - 白夜さん» コメントありがとうございます!お返事遅くなってすみません。タイトルネタ採用させていただきました!これからもよろしくお願いします! (2019年12月15日 20時) (レス) id: d3adf571e3 (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - となさん» コメントありがとうございます。お返事遅くなってすみません。何回も読んでもらえて嬉しいです。これからも頑張ります!! (2019年12月15日 20時) (レス) id: d3adf571e3 (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - 結夢さん» コメントありがとうございます!お返事遅くなってすみません。指摘ありがとうございます。疲れのせいで間違えました(言い訳)これからもよろしくお願いします (2019年12月15日 20時) (レス) id: d3adf571e3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:美桜 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ririsa10713/
作成日時:2019年11月23日 13時