俺の継子がクソな件について【不死川実弥】

54 ページ6

*



「Aさん！兄ちゃんが大変なことになったってーーー？！」

「あぁ、玄弥さん……、ごめんなさい……私……」

「…………嘘だろ、……なんとか言ってくれよ、兄ちゃ……、兄貴はどこだ？」

「あぁ、私の部屋ですよ」



とりあえず親族である玄弥さんに、私の烏、豆大福を使い「師範の身に大変なことが」と伝えてもらった。すぐさま飛んできた彼に、涙ぐみながら話せば、何を誤解していたのか彼は顔が青ざめていた。


私の部屋に案内し、襖を開ける。いや、青ざめすぎて逆に大丈夫？部屋の中央にいる縄でぐるぐる巻きにした師範を見て、彼は「え？」と目ん玉飛び出るほど驚いていた。



「実はカクカクシカジカでこうなっちゃったんです」

「いや、もうちょっとわかりやすく……」

「わかりました。ご都合血鬼術です」



慌てて、ちび師範に近寄る玄弥さん。彼にもまだ小さい兄弟がいたから、自分より小さい子の相手がうまいのかな。


それよりもなぜ師範が縛られているかって？それは言うこと聞かないし、脛は蹴るし私のことブス呼ばわりするからだ。ブチギレて縛ってやった。



「兄ちゃん…………すげぇ可愛い……」

「え」



よもや、よもや君はブラザーコンプレックスなのか？！柄にもなく頬を染めている玄弥さんに、若干引きつつ、私は「どこが。クソガキじゃん」と呟いた。



「俺の兄ちゃんがクソガキなわけねぇだろ？！！ふざけてんのかてめぇ！！！」

「うわ、出たよブラコン発言」



本当に君はお兄ちゃんラブだね。
まあ、いいとは思うけど、顔すごく怖い。


.

55→←53

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す