俺の継子がクソな件について【不死川実弥】

76 ページ28

*



「師範！合同任務なんて初めてですね。私楽しみです。師範と一緒に戦えて〜」

「…………うるせェ」

「あぁ、でも師範は手出し不要ですよ。私がチャチャッと終わらせちゃいます。フフフ」



列車に乗るのも初めてだ。めちゃくちゃ速い。窓から顔をだし、「わーたーしーはーかーぜーにーなーるー」と歌う。歌っていると、師範から首根っこを掴まれた。


うるせぇと殺気を飛ばされたためおとなしくなる。
あ、駅弁食べよう。これ食べたかったんだ。漸く夢が叶いました。



「師範のお弁当も美味しそうですね……」

「…………ほらよ」

「えっ！良いんですか？！これは明日槍が降りますね」



一言余計だァと頭を殴られる。

イタタ…。師範、私は実は計算高いんです。
私が今持っているお弁当と師範がかったお弁当どちらも好きなんです。師範はお優しい方ですから、私が好きなものが入っている方を選ぶと思ってました。



「師範、駅におはぎ売ってました。一個だけ」



手のひらに置いたおはぎを見せつける。知らなかったというように目を見開く彼に、「あぁ、これは私のなので」とフッと笑った。


そして食べようと口に運んだところ、ガッチリと腕を掴まれた。寄越せ、と言いたげな瞳。いや、怖い怖い。



「おい、てめぇ。俺の継子やってんなら知ってて当然だよなァ？」

「師範がおはぎ好きなのは知ってますよ」

「じゃあなんで俺の分買ってこなかったァ」

「………あぁ……それは……食べるの見せつけるためです」


.

77→←75

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す