俺の継子が煩ぇ件について【不死川実弥】

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*


「師範！」



屋敷の扉を思いっきり開ける。ちょっとすごい音したけどきっと大丈夫。こんなか弱い女の子が思いっきり開けただけで扉は壊れない。扉を閉めようと力を込めるけど全然動きません……。



「ま、いいや」



それを放ったらかしにし、師範のいる部屋へと一直線に向かった。彼は縁側に座っている。でもあの様子、きっと寝ている。背中からそう見て取れた。そーっと近づいて、顔を覗き込めばやっぱり寝ていた。


お日様に当たって眠たくなっちゃったんですか〜？？可愛い人ですねぇ。ウフフフ。なんだか面白くて、ニンマリとしながらその顔に何かイタズラでもしてやろうかと手を伸ばした。

するとたちまち手を掴まれ、縁側に押さえつけられる。「いっ、痛っ！」と叫ぶ。



「てめぇ、何する気だったんだァ」

「ただイタズラを…！」

「正直でよろしい」

「アタタタタタタタタ！！」



グッと力を込められて、痛みに叫ぶ。

目尻に涙を溜めながら、師範を見ると目がパッチリ合って師範はギョッとした様子。すぐに手を離した彼は「てめぇなんだそのツラは」とつり目のまま言われる。



「お化粧です。ギャフンと言ってください」

「…………だれにやられた」

「胡蝶様と甘露寺さんに」



師範は私の顔を少し凝視する。「可愛い継子がさらに可愛くなって戸惑ってます〜？」とニシシと笑っていれば、師範はいきなり私服の裾で私の唇をゴシゴシと拭いた。摩擦熱でたらこ唇出来上がりだ。うわーい、最悪だコラ。



「それ以上不細工なツラ晒すんじゃねぇ」

「……………は？！！！なんだとゴラァ？！！！」



キレる私をよそに、師範は腰を上げてどこかに行ってしまう。追いかけようにも唇がヒリヒリする。ジトリとその背中を睨みつけた。





〜後日談〜

風柱は、蟲柱と恋柱の二人に「人の継子で遊ぶな」と注意したらしい。「可愛かったでしょう？」としつこい二人に、彼は一言、「何年一緒にいると思ってやがる。アイツは化粧なんざしなくても、いいツラしてるんだよクソが」と言ったそうで、蟲も恋は目が点になった。風は、『見惚れたなんざ口が裂けても言えねぇ』と心の中で呟いた。



*
夢主は不死川さんに凝視されていたと思っているけど、実は見惚れてましたってやつです。続編以降でキリよくするためちょっと短めになっちゃいました。すみません…！

追加
続編できました。移行前に評価お願いします！

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