俺の継子が煩ぇ件について【不死川実弥】

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師範がいない屋敷は平和です。
どこも壊れない、無駄に大きな物音もしない。



「この前の修繕費、すごい額請求来てんじゃん〜！！」



壊された壁は今は綺麗に修繕されている。その請求書に書かれた金額を見てため息ひとつ。

お館様に言って、師範を注意してもらおうか。だけど、師範に「報告はすんな。したら殺す」と中指を立てられ脅されたからやめてた方がいいかな。


お館様に言えば、無償で修繕してくれるのに、実費で直したんだからどれだけお金余ってるんだろう、あの人。


私は任務も入ってないし、家でゴロゴロ。

何もすることがなさすぎてゴロゴロゴロゴロとあっち行きこっち行きしていると、思い切り棚に体をぶつけてしまった。


ガチャンッと鳴った物音に、チラリと伺う。………あぁ、私今回こそ殺される。




▼師範の宝物(※カブトムシのオブジェ)を割ってしまった。



まあでも、あの人ここにあるカブトムシコレクションを全て把握してるわけではなさそう。ゴミ袋にそれらを入れて、処分する。


また一息、畳の上に寝転んでいると、玄関から大きな物音がした。もうすこし静かに帰ってこれないのでしょうか。



「A！！！！」



私の平和が崩れ去る声がした。帰ってきて第一声が私ですか。

玄関に向かって早々に、顔に何かをぶつけられた。痛い。布……いや、隊服だ。隊服って顔に当たるとこんなに痛いの？



「師範、女の子の私に暴力はダメです」

「あ"ぁ？！いいからさっさとタオル持ってきやがれ」



血だらけの師範に、ため息を落とした。
またこの人、自分で自分を傷つけている。


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